在日韓国人と日本人の養子縁組
質問
わたしは在日韓国人夫婦の夫です。わたしたち夫婦にはこどもがいません。信頼できる知人のこどもA(日本人)を養子にしたいと考えています。養子縁組にあたりどこの国の法律がどのように適用されるのか教えてください。
また、妻が養子縁組に反対した場合は縁組は不可能になるのでしょうか。わたしの財産や仕事やプライベートはすべて日本にあります。
回答その1 在日韓国人と日本人の養子縁組に適用される法律とその内容
養親が在日韓国人の場合、養子縁組の準拠法は養親の本国法である韓国法となります(通則法31条1項)。養子となる者の本国法が第三者の承諾・同意等の保護要件を要求している場合は保護要件兼備も必要です。
養親となるべき者はいずれも在日韓国人ですので準拠法は韓国法となり、養子となる者が日本人ですいので日本法の子の保護要件も満たす必要があります。
韓国では、2013年7月1日施行の改正により養子法が変更されています。未成年養子の養子縁組に家庭裁判所の許可を要求し(韓国民法867条)、縁組手続への家庭裁判所の関与を強化し(韓国民法868条以下)、未成年養子の離縁も裁判によってのみできるいようになりました(韓国民法898条但書)。Aさんが未成年の場合は、かなり面倒な手筒機をふむことになります、
もと赤ちゃん輸出国(アメリカでは養子の需要が強いため、赤ん坊を輸入している)、が、こんながちがちの養子制度を設けたら、養子が利用できなくて、国家のあずかりしらぬところでこどもが移転していくだけでなかろうかと心配になります。
韓国法における養子縁組の要件を整理しておきます。日本民法とよく似ていますね。
�� 養子能力 成年に達していなければなりません。韓国民法では満19歳です(2013年改正後の韓国民法4条)。日本では満20歳です。
�� 家庭裁判所の許可 家庭裁判所は養子となる未成年者の権利のため、養育状況・養子縁組の動機、養父母のよ行く能力その他の事情を考慮して養子縁組を許可しないことができます(韓国民法867条2項)。家庭裁判所は国家警察官署の長に養父母となる者の犯罪履歴について照会を養成することができ、養父母となる者の住所地を管轄する市長、群守、区長にその所得・財産・生活実態・同居家族の構成と現況、縁組の動機及びその他の事情に関する調査を食卓できます(韓国家事訴訟規則62条)。
�� 13歳未満の養子の場合の代諾 養子になる者が13歳未満であるときは法定代理人がこれにかわって養子縁組をします(韓国民法869条本文)。2013年改正により15歳から13歳に引き下げられました。
�� 父母の同意 養子となる者は父母の同意を得なければいけませ(韓国民法870条871条)。日本民法の場合、養子となる者が成人である場合は父母の同意は不要です。韓国法の場合は養子となる者が成人であっても父母の同意が要件とされています。
�� 被成年後見人の場合 被成年後見人が養親または養子となり場合、成年後見人の同意と家庭裁判所の許可が必要です(韓国民法873条1項2項)。
�� 夫婦共同縁組 配偶者がある者が養子をとるときには、配偶者と共同で養子縁組をしなければいけません(必要的夫婦共同縁組 韓国民法874条1項)。配偶者がある者が養子となるときには、一方の同意を得なければなりません(韓国民法874条2項)。日本民法の場合は任意的夫婦共同縁組です。
�� 尊属・年長者養子の禁止 養子となる者が養親の尊属であったり、年長者である場合には養子とすることができません(韓国民法877条)。
養子縁組の申告は韓国の役所または駐日韓国総領事館に申告をします。日本の役所に養子縁組の届出をすることも有効です(韓国国際私法17条1項)。日本の役所に養子縁組の届出をする場合には届出書のほか本国法である韓国法によって養子縁組の要件が具備されている証明書を提出する必要があります。韓国の家族関係登録簿に養子縁組を反映させるためには日本の役所に届け出たあとに当該届出要件についての証書の謄本(受理証明書等)を駐日韓国総領事館に提出する必要があります。
手間を考えると韓国総領事館に届け出るのが効率的なようです。
韓国の家庭裁判所の許可を日本の家庭裁判所が代行できるか
韓国大法院の見解によれば日本の価値裁判所は韓国の家庭裁判所の役割を代行できないとしています。そのため、日本の家庭裁判所が代行したとしても、縁組当事者が韓国の家庭裁判所の許可が必要なのにそれを欠いているとして韓国の登録官署は用紙縁組届けを受け付けないことになります。
日本においては日本の家庭裁判所が韓国の家庭裁判所を代行できるとする学説や先例もあります。ただし、最高裁判例というわけでもないので、提出して、うまくいけばもうけものといったところです。
回答その2 奥さんが反対した場合
質問者の奥さんが反対した場合は韓国法の必要的共同縁組(韓国民法877条)の要件を満たさないので、たとえ養子となるべき日本人が成人であっても養子縁組はできないことになります。
質問者が日本に帰化した場合は別論です。
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