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2015年06月02日13:27

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非ハリウッド宣言! on BD9:『未来を生きる君たちへ』

アフリカ、紛争地帯・・・
スウェーデン人医師アントンは、国境なき医師団の一人として、難民キャンプで献身的に診療にあたっている。近頃、戦闘とは無関係に妊婦が重傷を負って搬送されるケースが増えている。全員が腹をナイフで割かれ、胎児を取り出されたあと放置されていたというのだ。病院スタッフが言うには、地元の独裁者<ビッグマン>の仕業だという。ただ面白半分で村を襲い、逃げ遅れた妊婦を捕まえてはこのような蛮行を続けているのだ。

デンマーク・・・
母を亡くしたばかりの少年クリスチャンが、父に連れられロンドンからデンマークの実家に帰ってきた。地元の小学校に転入した彼は、その初日、校門で酷いイジメに遭っている小柄な少年エリアスの姿を目撃する。エリアスはスウェーデンから移住してきた子で、歯に矯正具をはめているため<ネズミ>と馬鹿にされていたのだ。弱気なエリアスは、こづかれても何も言えずただ逃げるだけだ。いじめっ子のリーダー・ソフスはガッシリとして背が高いのだ。エリアスの隣の机につくことになったクリスチャンは、彼と親しく会話するようになるが、おかげでソフスにメをつけられてしまう。

久々に、アントンがデンマークに帰ってきた。別居中の妻マリアンと、二人の息子エリアスとモーテンに会うのが楽しみだったが、帰宅早々マリアンともどもエリアスの学校に呼び出され、転校を勧められてしまう。エリアスがイジメに遭っているのは、エリアス本人にも問題がありそうだと言う教師に対し、マリアンは「ソフスが悪いのに納得できない」と怒鳴り散らすが、理性的なアントンは「まあまあ、解決策を先生たちと協議しよう」となだめるのだった。

その後も、ソフスによるイジメは続く。だが、やられっぱなしのエリアスとは違い、クリスチャンはソフスを不意打ちし、失明寸前までボコボコにしてしまう。転校続きだったクリスチャンは、学校でナメられないようにするには徹底的にクラスのボスを痛めつけるのが一番であることを体得していたのだ。そんなクリスチャンを羨望の目でみるようになるエリアスだった。

ある休日、アントンはエリアスとモーテンを公園に連れて行く。クリスチャンも一緒だ。そこで買い物をしてアントンが目を離した隙に、モーテンがブランコの取り合いでヨソの子と喧嘩になってしまった。割って入るアントンだったが、そこに喧嘩相手の父親が現れる。その父親は髭面の厳ついオトコで、「うちの子に触るな」とアントンを怒鳴りつけ、顔をブン殴るのだった。エリアスもクリスチャンも、アントンがやり返すのを期待するが、アントンは黙って子供たちを連れ、その場を去るのだった。アントンの<理性的な対応>が理解できないエリアスとクリスチャン。その数日後、二人は波止場で髭面男を目撃する。乗っている車からラースという自動車修理工であることを突き止めた彼らは、「殴り返してよ。怖いの?」とアントンに詰め寄る。アントンは笑って、彼らを伴ってラースの工場に向かうのだった。冷静にラースの前に立ち、「なぜ、理由なく私を殴った?」と訊くアントン。ラースは、スウェーデン訛りの彼を散々罵倒した挙げ句、また殴ろうとするのだった。アントンは抵抗せず、そのまま子供たちを連れて工場の外に出る。「あの男は、暴力でしか自分を誇示できないバカだ。私はちっとも怖がっていなかったろ?だから、私は彼より強いんだ。私が勝ったんだよ」と、教えるアントン。しかし、エリアスもクリスチャンも、やり返さない強さがよく解らない。クリスチャンの哲学は<やられたらやり返せ>なのだ。

休暇を終え、アントンはアフリカに帰っていく。エリアスとクリスチャンは、イジメにも遭わず平和な日々を送り、授業の工作課題に二人で取り組んでいる。クリスチャンの家の倉庫が、彼らの作業場だ。ある時、クリスチャンが倉庫の奥に仕舞ってあった古い花火を発見する。結構デカく、火薬の量もハンパない代物だ。クリスチャンは、これを使ってラースに復讐しないかとエリアスに持ちかける。

同じ頃、アフリカの難民キャンプに銃を乱射する一団が乗り込んできた。アントンが手術テントの外に出てみると、彼らはAKを向け「ボスの足を元通りにしろ」と脅迫してくる。彼らが運んできた病人は、<ビッグマン>その人であった。右足が化膿し腫れ上がっている。スタッフ誰もが、ビッグマンに憎悪の眼差しを向ける中、アントンは冷静に彼の治療を開始するのだった。

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「未来を生きる君たちへ」。
<怒りや憎しみを晴らした所で、そこに幸福はない>という真理を、キャラクターたちが身をもって学んでいくドラマ。デンマークの女流監督スサンネ・ビアの監督作です。

まあ、解ってはいても、怒りが理性を上回ることはあるし、暴力にエスカレートしてしまうことってありますよね。アントンですら、ある「一語」で理性が吹っ飛んでしまう瞬間もあるのです。映画は、そんな彼らを常に冷静な視線で描き、肯定も否定もしません。それが人間であるということを教えてくれます。そして唯一の解決である<赦し>をラストにおいて、その美しさをしっかり見せてくれるんですね。アントンを演じたミカエル・パーシュブラントは、スウェーデンを代表する名優。ラース役のキム・ボドゥニアも、TVドラマ「ブリッジ」やレフン監督の傑作「プッシャー」でおなじみのアクター。デンマーク/スウェーデン映画の最高峰を味わうには最適のコンテンツですし、子を持つ親としても必見の作品。傑作です。


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(ブルーレイのみ所有ソフト:47枚目)
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