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2015年05月12日19:27

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ブルーレイで見る女優魂!:第3回『ゼロ・ダーク・サーティ』


9.11から2年後の2003年、パキスタン。新米のCIA分析官マヤが赴任したこの地では、アルカイダの幹部<サウジメンバー>の追跡/逮捕が急務とされていた。CIAパキスタン支局のリーダー・ダニエルは、マヤを伴って捕虜アンマルの尋問を開始。アンマルは9.11の犯人たちにカネを送金したとされる男だった。もはや拷問ともいえる過酷な尋問に同席し、戸惑いをおぼえるマヤ。だが、手応えはある。アンマルはメンバーの名も、次のテロ計画も、絶対に知っているはずだ。心を鬼にして、尋問に臨むマヤであった。

2004年5月末、サウジアラビアで爆弾テロが発生。マヤは、情報を遮断され朦朧としているアンマルにブラフをかけ、「あなたが吐いたおかげでサウジのテロを防げたわ」と嘘をつく。アンマルは、自分が気付かずに情報を漏らしたのだと観念し、スラスラと<サウジメンバー>の名を吐いていく。その中には、CIAが聞いた事のない名前「アブ・アフメド」というのがあった。アブ・アフメドはビンラディンの側近で、アルカイダNo.3であるファラジとビンラディンの間で書簡を届ける連絡員でもあったらしい。マヤはポーランドで新たに逮捕されたアルカイダ工作員の尋問にも参加し、「アブ・アフメド」の名をぶつけてみる。この捕虜もアブ・アフメドを知っており、アンマルの証言が裏付けられた。

2005年7月、ロンドンで爆弾テロが発生した直後、ダニエルがアフガニスタンに出張し、現地チームとともにファラジを逮捕することに成功する。マヤもアフガニスタンに飛び、早速ファラジを尋問。観念し情報をたくさん喋るファラジだったが、アブ・アフメドについては頑に口を閉ざす。マヤは、アブ・アフメドがアルカイダにとって、ビンラディンに次ぐ「大物」であるという確信を得るのだった。

2008年9月。ダニエルは既に任期を終えてアメリカに帰国していたが、マヤはいまだパキスタン支局に居た。アブ・アフメドに取り憑かれ、無数の捕虜たちの尋問動画からアフメドの正体と居場所を突き止めようと躍起になっていたが、その顔写真以外、全く手がかりが得られずにいた。支局長ブラッドリーは、そんな彼女を苦々しく思っている。実在するのかどうかも判らない「アブ・アフメド」を追うよりも、テロ計画を未然に防ぐ方が先決だと諭すブラッドリーだが、アフメドこそがビンラディン逮捕への鍵であると自説を譲らないマヤにやりこめられてしまう。そんなある日、マヤは同僚ジェシカと食事中にテロに遭遇し、九死に一生をえる。パキスタンのマリオットホテルを爆破するという大規模なものだった。

2009年12月。ヨルダン情報部が、買収不可能と言われたアルカイダの一人を転向させることに成功した。医師のバラウィという男だ。彼をスパイに仕立て、ビンラディンに接近することができれば暗殺も夢ではない。このバラウィ運営がCIAパキスタン支局の先優先業務となり、ジェシカが担当に抜擢される。さっそくジェシカはバラウィと面接するお膳立てをして、若手CIA局員を数名連れてアフガニスタンに飛ぶ。アフガニスタン・チャップマン米軍基地内でバラウィを出迎えるのだ。パキスタンで留守を守るマヤは、ジェシカから面接成功の吉報メールを待つが、時間が来てもジェシカからメールは届かなかった。基地に現れたバラウィは爆弾を帯びており、ジェシカの目の前で自爆してしまったのだ。この事件で、ジェシカを含むCIA局員数名と海兵隊員が死亡してしまう。完璧なアルカイダの罠であった。

ジェシカ死亡の報を聞き、悲しみに沈むマヤ。そんな彼女に追い打ちをかけるように、「アブ・アフメド死亡」の情報がもたらされる。新たに逮捕されたアルカイダメンバーがアフメドの写真を確認し、「2001年、コイツの死に立ち会った。俺が埋葬した」と証言したのだ。標的を失い落ち込むマヤだったが、新米分析官が古いファイルを整理していて偶然「イブラヒム・サイード」なるイスラム原理主義者の存在に気付いた。サイードは9.11以前に活動していたクウェート出身の男で、「アブ・アフメド」という偽名のパスポートで旅行していたらしい。死んでから正体が判っても・・・と嘆くマヤだったが、ファイルを読んである可能性に思い当たった。イブラヒム・サイードには何人も兄弟がおり、みなイブラヒムにそっくりなのだ。もしや死んだのはイブラヒムの兄弟の一人で、イブラヒム自身は生きているのではないか・・・「アブ・アフメド」が死んだとされる2001年にはアンマルと活動していたはずだから、別人の可能性があるはずだ・・・この仮説に執着し始めたマヤは、ラングレーのCIA本部にいるダニエルに相談する。マヤの勘を信じたダニエルはクウェートに飛び、政府高官をランボルギーニで買収しサイード家の盗聴監視許可を取り付けるのだった。

その盗聴によって、クウェートに携帯で電話をかけるイブラヒムの存在が明らかになった。携帯はパキスタン国内のペシャワルやラワンビンディから発信されていることも判明。さっそくマヤは監視班を編成し、この二つの町を巡回させる。イブラヒムが携帯を使用したとき、その電波をキャッチするためだ。そして監視班の辛抱強い巡回のおかげで、マヤはついにイブラヒムを視界に捉えることに成功する。彼はパキスタンでは珍しい白いSUVに乗っており、追跡は容易だ。監視班はSUVの尾行を続け、イブラヒム・サイードの住居がアボッターバードという町の外れに建つ一軒家であることを掴むのだった。その家は高い塀に囲まれ、入口は鉄門になっている。外から中を窺うことが不可能な、要塞のようなつくりになっているのだ。監視衛星の画像からも、居住者がほとんど庭に出ないので何人住んでいるのかも判らない。つまりここの住人たちは、当局の目から逃れる訓練を施されているのだ。そんなヤツらは、アルカイダしかない・・・そんな中、出勤しようとしたマヤが家の前で銃撃される事件が起こった。アルカイダは現地CIA局員の情報を入手しており、マヤはヒットリストの筆頭だったのだ。本部命令で、マヤはやむなくアメリカに帰国する。

2011年。ラングレーの本部勤務となったマヤだが、執念が薄らぐことはなかった。本部の衛星監視センターに日参し、<アボッターバードの家>の監視を続けるマヤ。パキスタン支局も彼女の意志を継ぎ、家内部の情報収集を続けていく。その結果、イブラヒムを含む四人の男とその家族が居住していることが判る。だが、どうしても全く屋外に出ない四番目の男の正体が掴めない。このまま、何日も時が過ぎ、焦燥するマヤ。だが彼女の確信は揺らぐ事はなかった。あれだけ秘匿されている四番目の男は、間違いなくウサマ・ビンラディンであるという確信だ。そして2011年5月。彼女の主張がついにCIA長官と大統領を動かし、特殊部隊シールズ・チーム6が<アボッターバードの家>を急襲することになる。マヤたちが固唾を飲んで見守る中、チーム6が家に侵入し、AKで応戦する男たちを倒していく。家の最上階の個室で最後の敵を射殺した隊員は、無線でこう報告するのだった。「ジェロニモ、確保・・・」と。ジェロニモとは、ビンラディンを表す米軍の符牒である。



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『ゼロ・ダーク・サーティ』。キャスリン・ビグローの渾身の一作です。「ハートロッカー」で習得したドキュメンタリータッチを用いながらも、フィクションらしく、まっすぐゴールに向かう語り口なので退屈せずに観られるドラマでした。これ、何と言ってもジェシカ・チャスティンの魅力に尽きます。最初のブリーフィングでは一言発するのもやっとだったペーペーが、骨太なネーチャンに成長し、CIA長官に「ビンラディンがあの家にいる確率は100%です」と言い切ってしまうほどの強心臓になっていくという・・・その微妙な演じ分けが見どころです。ビグロー作品としても、女性を主人公にしたのは異色ですよね。もはや彼女が理想とするマチズモは消滅し、現代では強いのは女のほうであるってことに気付いたのかも知れませんな。





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