女子は高学歴なのになぜ貧困なのか?という問題意識の本です。文系3名と美術系1名です。理系の修士以外の大学院進学は経済的にはひきあわない、というのは30年以上前から常識だとおもっていたのですが。
学歴と富裕さは無関係とおもっていました。
評者の母は岡山大学の法文学部の紅一点で卒業後副手(助手のした)をしていましたが、結婚後は専業主婦でした。ひとり娘なので教育資源が集中できたので大学進学もできたし婿確保という意味では有益な進学でした。
国立大学の学費が非常に安い時代でした。
現在の高い学費のなかで大学・大学院にいくのは、かなりリスキーです。岡田斗司夫「ボクたちは就職しないかもしれない」だと学費がペイするような大学進学舎というのは二流大学ではほとんど期待できないし、企業の寿命が5年平均で公務員も安心できない環境だと大学時代の就職活動もペイしなくなっているようです。
あおりでは、
女子を貧困に追いやる社会構造のなかで、教育、キャリア、結婚、子育てをどう考えればいいのか? 専業主婦を目指すのがもっとも賢い選択なのか? 当事者が自らの境遇と客観的なデータをもとにその実態をあぶり出す。娘をもつ親御さんも必読!
とあります。
はたからみると、結婚のチャンス、とくに20代前半を逃しているのがいたいようにみえます。
【著者紹介】
大理奈穂子(おおりなおこ)
お茶の水女子大学大学院博士後期課程満期退学。一橋大学非常勤講師。
栗田隆子(くりたりゅうこ)
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退。ライター。
大野左紀子(おおのさきこ)
美術作家を経て、文筆活動へ。アートからジェンダーまで雑食系。
水月昭道(みずきしょうどう)
人間環境学博士。立命館大学研究員を経て、現・筑紫女学園評議員。
光文社新書
高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか?
2014年2月20日 初版1刷発行
著 者 大理奈穂子(おおりなおこ)
栗田隆子(くりたりゅうこ)
大野左紀子(おおのさきこ)
水月昭道(みづきしょうどう)
発行者 丸山弘順
装 幀 アラン・チャン
発行所 株式会社光文社
ISBN978−4−334−03784−0
C0236
目次
はじめに
第一章 どうして女性は高学歴でも貧困なのか
――二人の高学歴女子をめぐる現状――
報告1 大理奈穂子
母の一言/
専業非常勤講師稼業/
運命の一九九五念
報告2 栗田隆子
私はあの日、パジャマ姿で学会に出席した/
失業とパジャマ姿/
私について……
コメント「お二人の話を受けて 水月昭道
現代の雇用現場では、でたらめな「制度」運用がまかり通っている!/
制度は�爐Δ泙��畩茲襪發痢�/
排除の論理
第二章 なぜ、女性の貧困は男性よりも深刻化しやすいのか?
女性の高学歴ワーキングプアは、大学院重点化とは無関係だった/
博士問題において、女性研究者は常に見えない存在だった/
高学歴女子怒る。「能力が……」なんて言うんじゃない/
「女性リーダーを三〇%に!」その政策に足りない視点とは?/
同じ「非常勤講師」でも男にはわからない困難な日常がある/
性別役割分業規範(あるいは、結婚というリスク)/
学会という「オールドボーイ・ネットワーク」
第三章 女子の高学歴化は、彼女たちと社会に何をもたらしたのか?
女子は教育で幸せになれるのだろうか?/
明治に始まった「女子に教育を!」という視点
――人権回復への道?/
女子教育旺盛なる国は文明国
――近代化を急ぐ日本は女子に目を付けた/
学歴を手に入れても女子は無力であり続けた/
教育により価値観の同一化を強いられた女子/
高学歴化しても幅が広がらなかった女子!?/
結局、女子にとって高等教育とはなんだったのか?/
意思決定の場に高学歴女子を!――男女平等社会の実現を図る
第四章 女は女というだけで貧乏になるのだ
絶望の話し/
母の話/
求職中の話/
派遣労働に就いた話/
『フリーターズフリー』という本の刊行
第五章 「アート系高学歴女子」のなれの果てとして、半生を顧みる
私は「高学歴ワーキングプア」なのか/
父の娘、芸術を志す/
増加するアート系女子/
アーティストの就職問題/
大学教員は�狆紊�り�瓠�/
美術系非常勤暮らし/
結婚生活と制作活動/
作品で食べられる人、食べられない人/
アーティスト廃業/
浮上してきた「性」/
つきまとう学歴
あとがき
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