早暁、5時に起床して、寝惚け眼を擦りながら熱いシャワーで目を醒ます。
取り立てて準備する用事も無く、30分にはホテルを後にした。
途中、コンビニがあったから、朝食を購入する事が出来た。
50分には宿毛駅に着き、切符を購入してホームに上がる。
既に「南風6号」は入線していた。

4月の秘境イベントの往復以来、今年3度目の2000系気動車。
奇しくもアンパンマン列車であった。
ホームには小学生くらいの男の子と祖父らしき爺さんが佇んでいた。
定刻の5:55に発車して、ホームに目をやると、爺さんが列車に向かって手を振っていたから、孫が夏休みで遊びに来ていたんだろうと思う。
まだ4年か5年くらいの男の子だったから、一人、特急で爺さん所に遊びに行くのは、さぞかし大冒険だった事だろう。
昨夜は楽しめなかった、土佐くろしお鉄道の車窓を眺める。
宿毛から中村までは、新しく開業した路線で、高架とトンネルで南風は、ここぞとばかりに速度を上げる。
四万十川を渡ると、中村駅に到着する。
20分も掛かっていない。
中村駅から窪川駅までは、元々JR中村線だった区間。
ローカル線ではあるが、土讃線の延長で建設された事と、歴史が新しいので、線路規格は高い。
振り子式の2000系気動車の本領を発揮する。
中村から先は、太平洋沿いを走る。

しかし、完全に海岸線を地形にそって走るのでは無く、山々を大小のトンネルで突き抜けて仕舞う。
それでも、合間合間に覗かせる、朝日を浴びた太平洋は、キラキラと水面が輝き眩しく美しい。

土佐佐賀駅から、太平洋と別れ山地を縦断する。
山嶺から靄が立ち上ぼり、厚く立ち込めた雲と混じりあっている。
ガラスには細かい雨が、線を引いており、霧が流れている。
6:49、定刻通りに窪川駅に到着。
窪川は雨に濡れていた。
次は7:07窪川発の高知行き普通列車。
1000系気動車である。
1000系に乗るのも、急行「よしの川」撮影時に乗って以来だから、随分になる。

この車輌は、短編成でラッシュ時の床面積を確保する為、クロスシートとロングシートを点対称に配置する、奇妙な室内になっている。

まるで軽便鉄道の車輛のようで落ち着かないが、ロングシートのみにされるよりかはましである。
窪川から先も、勿論初めての区間である。
土讃線は以外に海辺は走らない。
時折、ちらりと見える海岸を眺める。
海岸は硬い岩石で、山地が海岸に迫り岩石が露出している。
それが太平洋の荒波に削られ、複雑な地形を生み出している。
天気は目まぐるしく変わり、晴れたかと思えばまた、雨が降りだす有様。
須崎駅に着くと、構内に鍋焼きラーメンとか云う、看板があった。

鍋焼きラーメンがどんな物かは知らぬが、イメージキャラクターがどう見てもアンパンマンのキャラっぽい。
ラーメンだからラーメンマンか。
何か違う気もする。
高知が近くと、本格的に晴れとなり、ビルや家が増えて、真新しい高架の、高知駅に到着した。
今回は、観光が目的で無いから、途中下車はせず、9:19発の奈半利行きの普通列車に乗り換えた。
後免までは土讃線で、そこから先は土佐くろしお鉄道の、ごめん・なはり線に入る。
車輛は、残念ながらロングシートの車輛であった。

後免駅で土讃線と別れる。
暫く行くと、空港から離陸した飛行機が見えた。
あかおか駅から、太平洋沿いを走る。
今朝乗った、中村線のそれとは違い、穏やかな海岸線である。
黒い砂浜に、沖までコバルトブルーの海が広がっている。

大阪近辺では、絶対に見る事は出来ない。
これだけで南国のイメージが強くなる。

しかし、強い台風が毎年襲うからか、浜に生えている樹木がくの字に折れ曲がって成長していた。

阪神のキャンプ地で有名な安芸駅で大半の乗客が降りて、乗務員も交代した。
列車は奈半利まで走り、定刻の10:46に到着した。
これで、土佐くろしお鉄道も全線完乗。
折り返しは10:51の安芸行き。

高架の奈半利駅は真新しくモダンではあるが、昨日の宿毛駅同様、殺風景な感じがする。
改札で切符を買い直し、先程の車輛に。
車輛や駅名板の写真を撮り捲っている鉄ヲタの集団の一人が、ハマーン様のイラストのTシャツ着ているのが目に入った。
10:51、定刻に発車。
元来た道程を走る。
何処までも着いて来る、コバルトブルーの海が美しい。
先に乗った時よりも天気が良いから、更に映える。
今回は、安芸駅で乗り換えになる。
1分接続で、高知行きに乗り換える。
今度はクロスシート車であった。
のいち駅で、痛列車と云うか、虎列車とすれ違った。

ある意味、聖地を走るだけの事はある。
高知に着いて、時分なので、昼を食べに、ひろめ市場に行く。

海産物や食堂などある市場で、高知の名産が楽しめる。
ウツボの叩きに「どろめ」

クジラのさえずりを肴に昼酒。

周りも可成り呑んでいる。
これで、呑むなと云うのが無理か。

酔鯨や司牡丹、安芸虎などを呑んだが、どれも旨い。
食事の後は、高知城散策。

宇和島城と同じく平山城ではあるが、呑んだ後でも散歩感覚でのぼれる。

帰りがけに商店街を抜ける。
怪しげな看板が沢山ある。


商店街の入口には、アニメイトがあった。
たまたま、長崎店と高知店オンリーの限定物があったから、購入した。
それにしても、高知の市内は路面電車が発達している。
はりまや橋の交差点で、各系統の電車が短い間隔で行き来している。

長崎や広島を見るようであった。
15時過ぎに高知駅に戻る。
15:32の阿波池田行き普通列車に乗り、阿波池田目指す。
残念ながら、キハ54のロングシート。
土佐山田駅で30分程停車し、上下線の行き違いを全て終わらせる。

ここからは山岳路線。
にわかに山が迫って来る。
ここからは、四国縦断の難所である。
次の新改駅は、スイッチバックの駅。
ホームが本線から離れて存在する。
昔、とある本で読んで、一度訪ねてみたいと思っていた駅なので、感慨深い。
この様なスイッチバックの駅は、無くなりつつあるが、新改のものは幸いにも残っている。
山越えの路線は景色が良いのが常で、この区間もそうである。
深く刻みつける谷を左右に見ながら、進んで行く。
皆して、窓外に目をやりカメラを構えている。
そんな山奥の、土佐岩原駅を過ぎると、徳島県に入る。
最初の駅が大歩危。
今年の4月に来たこの駅に、また来るとは。

そして、ここで土讃線も全線完乗。
何か感慨深い。
列車の交換待ちをして、阿波池田に向かう。
渓谷の織りなす景観に目を奪われながら、18:12、定刻に阿波池田に到着した。
次ね徳島線は19:55、2時間違い待ち時間がある。
因みに、一本前の列車は、18:06に阿波池田を発車する。
一体、何を思って組み立てたダイヤなのか疑問に思う。
それでも、待つしか無いので、駅前の商店街とかを見てまわる。
肴を見繕って、軽く呑む。
丁度、時分でもあった。
アナウンスで阿波池田止まりの列車の案内があった。
折り返しの特急「剣山」で、車輛はキハ185系。

昨日、都落ちした姿を見ているので、特急として活躍している姿を見るのは喜ばしい。
徳島行きの普通列車も入線して来た。
1500系で、私が乗るのは初めてだったと思う。

定刻の19:55に発車して、暗闇の中、徳島に向けて走る。
暗いので良くわからなかったが、暫くして穴吹駅に着いた。
ここから今夜の宿へは徒歩15分。
しかし、この暗闇の中、吉野川を渡らねばならない。
案内知らずの土地でもあり、なかなか迫力がある。

橋の欄干にカマキリさんがいた。

蟷螂山の住人としては、気になる所である。
渡り終えると国道で、店もあり賑やかである。
予約していた「ビジネスホテル マツカ」に到着。
407号室に案内される。

昨日よりも大分と綺麗な部屋に満足。
値段は勿論、1000円程高いのではあるが。
明日は、多少は遅寝出来る。
流石に2日間、疲れた。
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