mixiユーザー(id:1512719)

2009年11月28日11:41

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自己啓蒙。

最近やたらと自己啓発とか啓蒙のセミナーや本が売れている…。

「ああ、そうなんだ!」などと目からウロコで面白い話も多いと思うが、それは情報として取り入れればいい事で、「人生が変わりました…」など俄かに信じがたい。

ある啓蒙書の一例を書こう。



哲学者アリストテレスは説得力の要素は「エトス」「パトス」「ロゴス」の3つだとした。

エトス ・・・品性、人柄、精神、人徳。
パトス ・・・感情、熱意、感動。 元気が出る言葉。
ロゴス ・・・ロジック、真理、理論、真実の言葉。

そしてこう続く…。

人を動かすのはロゴス(理論)ではなく、パトス(熱情)だ。
特に人を動かしたり説得したりする時に必要なのは理論ではない。
論理的に言い負かしても人は動かない。

ここで書いてある理論はすごく分かるし、「なるほど…」と思うが、この事実を理論を使って説明しているという時点で実は矛盾しているとも言える。

確かに勇気づけられたり、感動するというパワーは、誰からの指図も受けていない状態で自らを動かす原動力としては一番最高だと思う。しかしこの事実は『ロゴス』であり、それを利用して『パトス』を操り、それを商売に繋げるような輩に利用されていると感じると、私は一気に幻滅する。だから私は簡単に感動できないのかもしれない。

夢を売る商売では、客側から見た場合に、どんなに凝視しても『からくり』が見えてはいけないと思う。もうすこし高等技術で『からくり』をわざとに見せて興味を引くというのもあるが、それは見せないようにしながらも、予め見せる範囲を設定した上でちらりと見せる『チラリズム』の応用であり、見えてしまうのとは全く違うのだが、どうであれ客側に立った時に金儲けのロジックや客を感動させる為のマニュアルが見えてしまうのは流石にかなり萎える。

理論というのはほんの少しの間違いを指摘されるだけで崩壊する。だから強気な文章を見ると人というのは「そうじゃない場合だってある!」と、反抗したくなるのだと思う。私もその一人であるのだと思うのだが、反抗により一気に崩れる正論をみる事に快楽を覚える人間がたくさんいても不思議じゃない。またさらにその上をいって、その感情を巧みに利用するような商売だって少なくないだろう。

簡潔にまとめると『パトス』は素晴らしいが、『「パトス」は素晴らしいという「ロゴス」を利用する行為』は汚く感じるという事になる。

話はすこし変わるが、ビジネス本などではこんな事がよく書いてある。今の商売は、よい商品(情報)を提供する事だけでは成り立たないようだ。客の期待値を読む事が必須とされている。ありきたりの言葉でも、それが相手軸に立って発言された場合ありきたりな言葉ではなくなるらしい。

また質問に対して、その答えを出すという行為よりも「どうしてこの人はこんな質問をしたのかな」と考え背景・前提・期待を考え出す方が大事だという事らしい。

これも昔に読んだような話だが、「客がドリルをほしがっている場合、必ずしもドリルが必要な訳ではなく、どうあれ穴を開ける事ができればよいケースの方が多いので、実際にドリルを売るだけが仕事ではない。」なんていうのも、そのケースの話と言えると思う。

しかしこれらはいずれも客に「パトス」をもたらす「ロゴス」であり、私のようなタイプの人間には全く効果がない。策を練れば練るほど真実の「パトス」とは程遠く感じる。

ではどうするべきか? これを極めて考えていくと…。最終的には人物となるように思う。

自分の娘に非道い事をされてもあまりハラが立たないというのに似ている。この人間になら騙されてもいい。この人間になら全てを捧げてもいい。先ほどの言葉でいうなら「エトス」だ。

最終的に生き残るのはこの「エトス」だけのような気がする。しかしこの「エトス」は一朝一夕に得れるものではない。天性的なセンスの持ち主であり、更に死ぬまでずっと精進し続ける人間でないと中々難しいだろうと思う。

私はその難しい道を目指したいと思う。

しょうもないような表面上の元気づけるような言葉、癒しになるような文章、楽しく暮らせるような秘訣、そんな本や情報はすでに溢れかえっていると思う。しかし溢れかえっているという事はそれだけ需要があるという事だとも思うのだが、私にはそんな物どうして必要なのか分からない。みんなの頭が理解できない。

お金儲けの為の売れ線バンドの歌が好きなヤツ。
占いブームで叱ってほしいバカなヤツ。そしてそのバカ相手に荒稼ぎするヤツ。
幸運のブレスを何万円もかけて買うヤツ。
自分で何にも作り出す能力はないのに批判だけで儲けるヤツ。

時代のニーズに答えるのは大事やと思うし、それでお金儲けするヤツはセンスあるとは思うけど、私が目指したい「エトス」とは程遠い…。

いつの時代も、極めた本質なんかみんな必要なくって、マネした「なんちゃってで雰囲気を味わう」のが大好きだから、ムーヴメントもその方向に流れるから仕方ないか…。一例をあげると…。本物志向なタイ料理屋より、日本風にアレンジされたタイ料理を出し、日本人がイメージするタイっぽさを演出したレストランを『本場タイ』だと偽った方が売れるから仕方がない。

本物すぎる思考や、真実を極める事でお金儲けはできないようになってる。だから仕事と精神はなかなか一致しない。そのズレをなんとか修正して自分の人生、また私と共に生きて行きたいと思ってくれている人間の人生を良い方向に持っていきたいと思う。
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