ウラジーミル・ヴラディミロヴィチ・ナボコフ(Vladimir Vladimirovich Nabokov, Владимир Владимирович Набоков, 1899年4月23日 - 1977年7月2日)は、ロシアで生まれ、ヨーロッパとアメリカで活動した作家、詩人、昆虫(鱗翅目)学者。チェス・プロブレム作家としても有名である。
ロシア帝国(現 ロシア連邦)のサンクトペテルブルク(ソ連時代のレニングラード)で貴族の家に生まれた。その後、ロシア革命で西欧に亡命。ケンブリッジ大学を卒業。ベルリン、パリの生活を経て1940年渡米、1945年アメリカに帰化。ロシア時代より詩を書き始め、ベルリン、パリで「シーリン」の筆名でロシア語小説を発表、ロシア亡命文学界において高い評価を受ける。パリ時代の終わりから英語で小説の執筆を始める。渡米後はコーネル大学等でロシア文学、ヨーロッパ文学を講ずるかたわら、英語で創作活動を続ける。小説『ロリータ』の出版により国際的に著名な作家となり、スイスのモントルーに移住、生涯執筆活動に専念する。自作の英語作品のロシア語訳、ロシア語作品の英訳(共訳)にもたずさわった。アメリカ文学史上では亡命文学の代表格の一人である。鱗翅目研究者としては、ハーバード大学とコーネル大学の研究所で、シジミチョウの分類学的研究を行っていた。