この愛に、賛否両論。性愛も血縁も超えた愛のカタチ。
「母が死んで、『死にたい』と思っていた僕の何かは死んだ』。14歳で母を亡くした浩輔は、本当の自分の姿を押し殺しながら過ごした思春期を経て、しがらみのない東京で開放感に満ちた日々を送っていた。30代半ばにさしかかったある日、癌に冒された母と寄り添って暮らすパーソナルトレーナー、龍太と出会う。彼らとの満たされた日々に、失われた実母への想いを重ねる浩輔。しかし、そこには残酷な運命が待っていた・・・。
龍太と母を救いたいという浩輔の思いは、彼らを傷つけ、追いつめていたのか? 僕たちは、出会わなければよかったのか? 愛とは、自らを救うためのエゴだったのか? 浩輔の心を後悔の津波が襲う。人は誰のために愛するのか。賛否両論渦巻く、性愛も血縁も超えた愛のカタチ。類まれな筆力で読む人を圧倒する注目の大型新人・浅田マコトの書き下ろしデビュー作。3度読んで、9度泣いてください。
編集担当者からのおすすめ情報
帯には、ロックヴォーカリストの相川七瀬さん、スタイリストの亀恭子さん、Oggi、Domaniの編集長、書店のみなさんからの絶賛の声。大きな意味での「愛」とは何か、人と人との絆とは何かを考えさせられます。新人作家ならではの「熱」を感じてください!
内容(「BOOK」データベースより)
浩輔と龍太、龍太と母―全霊を捧げる一途な愛、それは自らの救いのためだったのか?果たせなかった母への想いを投影した偽りのない行動がどれほど相手を追いつめていたことか…。懊悩と諦念…贖罪の果てに枯れ果てる感情の吐露。歪んだ愛、そして捩れた運命…。儚い生と確かな死、その鮮かな交錯の物語。