『山月記』(さんげつき)は、中島敦の短編小説。清朝の説話集『唐人説薈』中の「人虎伝」を元にしている。
唐の時代、隴西の李徴はかつての郷里の秀才だった。しかし、狷介で自負心が高く、自らの身分に満足しきれなかった。彼は詩人として名を成そうとするも、うまくいかず、ついに挫折。その後、汝水に宿した際に発狂し、そのまま山へ消え、行方知れずとなった。1年後、彼の旧友袁サンは旅の途中で虎となった李徴と邂逅する。李徴が詩業への執着ゆえに人の精神や姿を失って虎に変身した己を省み、なお執着を捨てきれぬ悲哀を友に述懐する有様を描出した。
野村萬斎によって演劇化されている。
高等学校の現代文の教科書の人気教材である。一例として、桐原書店『探求 現代文[改訂版]』に収録されている。
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