二人のために
二人にだけに
この星はまわっていたのだろう
あなたを乗せて
自転車こいだ
真夜中の純情商店街
耳もとで
聞こえた吐息
今はもう
はるか遠く
桜木のした
白ブラウスに
光溶けて
にじむのでした
桜木の下
あの頃の僕が
涙ためて
にらむのでした
耳もとで
聞こえた吐息
今はもう
はるか遠く
佳代
夢にまで見た夢よ
ほてった
そのほっぺたよ
抱きしめて
はなさなかった
いつまでも
いつまでも
佳代
いつかの
後ろ姿よ
やわらかな
白い肩よ
抱きしめて
はなさなかった
いつまでも
いつまでも
佳代を聞くたびに泣いてしまう。