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ロス・トーマスの全訳を夢みる会

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詳細 2019年11月9日 13:39更新

正式名称は「ロス・トーマス作品が全訳されることを勝手に夢みる会」。
その名の通り、ロス・トーマスの作品すべてが翻訳出版される日を静かに待つコミュニティーです。
2009年8月、ついに早川書房より13年ぶりの新訳「暗殺のジャムセッション(Cast a Yellow Shadow)が発売され、長編の未訳は25作中8作(オリバー・ブレイク名義含む)となりました。

【ロス・トーマス(THOMAS, ROSS)略歴】
1926年、オクラホマ州オクラホマシティー生まれ。オクラホマ大学を卒業後、太平洋戦争でフィリピンに従軍。退役後はジャーナリストを経て、政治活動に身を投じた。1966年"The Cold War Swap"(冷戦交換ゲーム)でデビューし、MWA最優秀新人賞を受賞。1984年には"Briarpatch"(女刑事の死)でMWA長篇賞を受賞。1995年に没するまでに長編25作と短編、そして幾つかの映画脚本を残した。

【作風(管理人私見)】
「周到に練られたプロットと複雑に張り巡らされた伏線」というように、緻密さと難解さがセットで語られることが多いロス・トーマスだが、逆に緩いスキームを基に勢いで書き継いだ結果、先の読めない絶妙のサスペンスに仕上がっているという作品も少なくないと思う。私見では、前者の代表が"Briarpatch"(女刑事の死)、後者の傑作が"The Mordida Man"(モルディダ・マン)。
また、会話文の巧みさには定評があり、そのウィットに富んだトボけた会話は全体のタイトなトーンの緩衝材として心地よいバランス感を与える。さらに、次章へ移る際の「引き」の上手さも比類なく、併せてロス・トーマス作品の高いリーダビリティを構成している。

【トリビア】
映画「ハメット」(ジョー・ゴアス原作、フランシス・F・コッポラ制作総指揮、ヴイム・ヴェンダース監督)の脚本を書いたことは有名だが、実はチョイ役で出演もしている。

【何も専務理事】
「私が殺した少女」で第102回直木賞を受賞した原りょう氏が当会の名付け親であり、「何も専務理事」だ(文庫版「五百万ドルの迷宮」解説参照)。デビュー作「そして夜は蘇る」で日本のハードボイルドファンのド肝を抜いてから早20年。近年「氏は早く書くコツを発見したらしい」という噂が流れたが、どうやら根拠の無いデマだったらしい。

【翻訳をとりまく事情】
上述の通り、本国アメリカで発表された長編のうち日本で翻訳出版された作品は25作中17作。8作の未訳に加え、立風書房刊の7作品は入手が非常に困難な状況で、枯渇感を煽る形となっている。 当初、立風書房はロス・トーマス作品を順次翻訳出版するつもりだったようだが、売れ行きが伸びず(というか全然売れず)計画は頓挫。"Briarpatch"(女刑事の死)がMWA長篇賞を受賞したタイミングで早川書房に引き継がれ、以降は順調に翻訳出版されていったが、過去の作品を漏れなくカバーしようと思わせるまでの商業的成功を収めることはできなかった。しかし、諦めかけていた2009年に「暗殺のジャムセッション」が刊行。また2013年に出された杉江松恋著「読み出したら止まらない! 海外ミステリー マストリード100」に「冷戦交換ゲーム」が選ばれた。今後の再評価に期待がかかる。

【著作リスト(発表順)】
●The Cold War Swap(1966)「冷戦交換ゲーム」 早川書房
●Cast a Yellow Shadow (1967)「暗殺のジャムセッション」 早川書房
 The Seersucker Whipsaw (1967) ※未訳!
 Singapore Wink (1969)「恐喝 シンガポール・ウインク」立風書房
★The Brass Go-Between (1969)  ※未訳!
 The Fools in Town are on Our Side (1970)  ※未訳!
●The Backup Men (1971)「クラシックな殺し屋たち」立風書房
★Protocol for a Kidnapping (1971)  ※未訳!
★The Procane Chronicle (1971)「強盗心理学」立風書房
 The Porkchoppers (1972)「ポークチョッパー 悪徳選挙屋」立風書房
 If You Can't Be Good (1973)「可愛い娘」立風書房
★The Highbinders (1973)  ※未訳!
 The Money Harvest (1975)「悪魔の麦」立風書房
 Yellow Dog Contract (1976) ※未訳!
★No Questions Asked (1976) ※未訳!
■Chinaman's Chance (1978)「大博奕」立風書房
 The Eighth Dwarf (1979)「八番目の小人」早川書房
 The Mordida Man (1981)「モルディダ・マン」早川書房
 Missionary Stew (1983) ※未訳!
 Briarpatch (1984)「女刑事の死」早川書房
■Out On The Rim (1987)「五百万ドルの迷宮」早川書房
 The Fourth Durango (1989)「神が忘れた町」早川書房
●Twilight at Mac's Place (1990)「黄昏にマックの店で」早川書房
■Voodoo, Ltd (1992)「獲物」早川書房
 Ah, Treachery! (1994)「欺かれた男」早川書房

●=パディロ&マッコークル物
★=セント・アイブス物(※オリバー・ブレイク名義)
■=アーティー・ウー&クインシー・デュラント(&アザガイ)物

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開設日
2007年1月23日

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カテゴリ
本、マンガ
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