いつも大繁盛のラーメン屋「とんちんけん」。
大勢のお客でにぎわうとんちんけんに、寒い冬のある日、一風変わったお客が現れた。白と赤のニット帽&マフラーで、コートを着込んだそのお客は、「ラーメン一丁!とびきりうまいやつを頼むよ」と注文する。お客の顔はよく見えない。
そのお店を一人で切り盛りするけんさんは、いつも通りの手ぎわのよさで「はいよ、ラーメン!」とお客に出すが、なぜかそのお客は一口食べただけで店を出て行ってしまう。
次の日もお客はやってきた。
そしてまた次の日もやってきた。
けんさんは細心の注意を払ってラーメンを作り、お客に出す。
しかし、またしてもお客は三口食べただけで店を出て行ってしまった。
どうしても納得できないけんさんは、今日こそ理由を聞き出すべく、お客の後を追って店を飛び出し、寒空の下追跡することになるのだが・・・。
ミステリアスな導入部分、そして衝撃のラスト(笑)
なにより、出てくるラーメンのおいしそうな描写に、読む人すべてが釘付けになるはず。
遠い昔に読んだはずなのに、大人になった今でもずっと心に残る、そんなすてきな絵本です。
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※長らく絶版になっていましたが、現在はひさかたチャイルド社、ひさかたチャイルド本社より新装版、復刻版が発売されております。