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橋川文三を考える

橋川文三を考える

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詳細 2018年8月17日 21:08更新

 かまいちと申します。日本政治思想史専攻のもと学徒です。 今を去ること20数年、故橋川文三氏に師事していました。それは私の人生でもっともエキサイティングな日々でした。今はしょぼくれ中年オヤジになりはてましたが、情熱の残り火はくすぶり続けています。
 そんなある日、中島岳志氏による朝日新聞の下記のエッセイに接しました。

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<近代日本の苦悩直視、自らの心の底にある> 

 これほど面白い本を、私は他に知らない。文学かぶれだった10代の私は、橋川文三(はしかわぶんそう)の文章によって一気に思想史研究へと引きずり込まれた。今でも読み返すたびに、胸の鼓動が激しくなり、手に汗を握る。新しい発見も多い。

 本書は、60年代・70年代に書かれた論文を再編集したもので、特定の結論を前提とした体系的作品ではない。しかし、その独創性の高さと、視点の鋭さは現在でも全く色あせておらず、読む者の心を震わせる。

 橋川は、丸山真男を筆頭とする従来の「超国家主義」理解に疑義を呈する。丸山はファシズムと結びついた昭和初期の超国家主義を「国家主義の極端形態」と見なし、明治期からなし崩し的に拡張した軍国主義的ナショナリズムのあり方を批判した。

 これに対して橋川は、超国家主義には「なんらかの形で、現実の国家を超越した価値を追及するという形態が含まれている」という大胆な説を提示し、昭和維新ナショナリズムの個人主義的で普遍主義的側面を強調した。彼は安田善次郎を暗殺した朝日平吾や血盟団事件の実行者・小沼正、菱沼五郎といった青年テロリストの心性に迫り、そこに求道的な存在論的問いが含まれていることを明らかにした。

 このような議論は、1922年生まれの橋川自身が歩んだ青年期の体験に繋(つな)がっている。彼は、戦前・戦中に自らの魂を揺さぶった超国家主義を、単に「錯誤」や「迷妄」として切り捨てるのではなく、「一般的な人間の事実」として捉(とら)え直すべきことを主張し、それを学問の上で実践した。

 彼は一貫して、自らの心の闇の底に、近代日本の苦悩を見ようとした。だから、その文章にはただならぬ迫力と、暗くドロドロとした感情がまとわりついている。近代日本を生きた青年の煩悶(はんもん)する声が、ざわめいている。

 橋川は83年に亡くなった。その独創的研究は、現在まで放置されたままの感が否めない。本書を読むたびに、「橋川文三の問いを何とか引き継ぎたい」と、私は強く思う。
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 「な、なんなんだこれは!年齢からして完全に橋川氏に物理的なアクセスが不可能な人ではないか。そういう人が、
『これほど面白い本を、私は他に知らない。文学かぶれだった10代の私は、橋川文三(はしかわぶんそう)の文章によって一気に思想史研究へと引きずり込まれた。今でも読み返すたびに、胸の鼓動が激しくなり、手に汗を握る。新しい発見も多い』
と書くとは…。ほとんど絶賛ではないか。これを「没後門人」というのか。いやはや。これはみんなで話し合いたいなあ〜」
と、いうのがこのスレじゃなかったコミュを立ち上げた理由です。

 なんだか、30代の研究者の一部で橋川氏の再評価のような事が起こっているみたいですね。それは当然丸山真男への全面的と言っていい批判につながって行きます。でも、私らの世代は、そうすんなりと戦後民主主義の全否定はおいそれとできないのです。それは何故か、このコミュで考えていきたいです。
 この方々は、どうも京都方面の方々で、そういえばそういう学統がありましたなあ。
 ともあれ、明治大学・大学院橋川ゼミ卒業者・修了者、後藤総一郎先生(この先生にも世話になったなあ。でも後藤先生ももう故人…嗚呼)のゼミの人々よ、どしどしここに書き込んで大いに盛り上がりましょう。もちろん、ゼミの大先輩の方々、この分野に関心のある学徒、社会人も大歓迎です。

※本コミュ加入の条件は:
1.必ず自己紹介を書くこと
2.自分と橋川文三との出会いの経緯を書くこと
であります。
3.加入された以上は、橋川文三の著作を必ず読むこと。 ー おすすめは『歴史と体験』 という本です。春秋社から刊行されています。 ネット上の古書店もしくは Amazon 等で安価に しかも簡単に入手が可能ですので橋川入門用にぜひご活用ください。

 すでに参加された方でも、書き込み0の人がいます(以前は「自由に参加できる」設定でした。
強制ではありませんが書き込んでください。罵倒したり嘲笑したりということは一切ありません。もしそういう書き込みを発見した場合は、管理人の責任でもって削除させて頂きます。
 なお、橋川の 著作・論文・思想と直接関係のないと思われる歴史的事象 について語ることも自由ですが 、あまりにそれだけに偏してしまうような書き方をする人は 退会願うこともありますのでお含みおきください。

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開設日
2006年5月25日

6578日間運営

カテゴリ
学問、研究