川上澄生(1895-1972)
横浜に生まれ、英語教師をしながら版画を彫り始める。
彼の得意とするモチーフは文明開化の頃の人々や物の
交流の熱気を描いた「南蛮もの(彼の描く船と波は
必見)」、ランプや時計等の器物等。彼の作風は
カラフルな多色刷りはもちろん、黒で刷った所へ
筆でさらりと絶妙な色をのせるのも得意で、その
きらきらした鮮やかさは可愛らしい。
彼は版画家と同時に詩人でもあり、版画の中に時々
添えられた詩も素敵で、大正15年に国画創作協会
展に出品した「はつなつの風」は、その色使いと
女性と男性を模した風の精のさわやかなエロスと
そこに添えられた可愛らしい詩も素晴らしい。
栃木県の鹿沼市に市立美術館あり。