世界は“孤独”という皮膜でくるまれていた―。
あなたに出会えるまでは・・・。
誰にも理解されることのない感覚“共感覚”。それを共有できる相手の存在を知ってしまったら・・・。
新介(江口洋介)はその感覚を胸にしまい、取り留めのない日常を過ごし、ヤクザ(鳥肌実)の下請け仕事としてインターネット上で盗撮サイトを運営している。親友・貴史(安藤政信)や、そばにいる大切な恋人・不由子(子島聖)には理解されない、悲しい闇を心に抱えながら。麻里(宮崎あおい)は自分が共感覚を持つがために、誰とも分かり合えないという孤独を抱えて生きている。両親とは死に別れ、育ての親はなぜか次々に不審な死にとりこまれていく。新介と麻里。二人はある日、今までどうしても埋まらなかった心の奥深くにある、最後のパズルを持った存在として出会ってしまう。アンダーグランドのサイトで“死の商人”とされる伝説の男・ピカソ(松田龍平)、次々に起こる不可解な事件、それを追う警視庁キャリア組の警部・柴田亜季(石田ゆり子)と刑事・拓植(北見敏介)・・・。新介と麻里の運命的な出会いは、それぞれの人生を大きく巻き込んで、悲劇に向かって転がり始めるのだった・・・。
共感覚
共感覚とは、ひとつの感覚が刺激されるとそれに別の感覚が伴う現象のことを言う。印刷された言葉が色となって感じられたり、においが形や手触りとして捉えれられたりする症状で、本来の感覚に他の感覚が伴って生じる。いわば「脳内の配線」が独特な人のことをいい、そのことで困ることは全くない。しかし、その現象は他人に説明しても完全に理解されることはなく、共感覚の持ち主は皆孤独感や現実に対する希薄感を常に抱いているという。作家のナブコフ、宮沢賢治、ランボー、ボードレール、音楽家のフランツ・リスト、スティーヴィー・ワンダー、画家のカンデスキー、ジョージア・オキーフらも共感覚者だったと言われる。
公式サイトより転載
『ギミーヘブン』公式サイト
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