【ジュネーブショー09】新型ポロ、ベールを脱ぐ
■“カワイイ”は卒業した!
フォルクスワーゲンの、ひいては輸入車のエントリーモデルとして日本でも高い人気を誇るポロが、7年半の時を経てフルモデルチェンジを果たし、このジュネーブショーで披露された。
5代目となるポロは、これまでの愛らしい雰囲気とは打って変わり、シャープでスポーティなスタイルを手に入れている。そう印象づける一番の特徴がフロントマスクで、水平グリルによりヘッドライトを結ぶ新しいフォルクスワーゲンの"顔"が、世代交替を強くアピールするとともに、新型「シロッコ」や新型「ゴルフ」とのつながりを明確に表している。先代に比べて、幅広く、低くなったボディは、明確なラインにより力強さを強調。一方、リアドアの後ろにウインドウを設ける"6ライト"のデザインを旧型から踏襲し、太いCピラーが特徴のゴルフとは別のクルマであることを主張している。
インテリアは、ゴルフと比べても見劣りしないくらいの高級感が漂っている。メーターはイルミネーションを従来の青から白に変更し、また、アナログの燃料計や水温計を廃止するなど、デザインを一新。センタークラスターをドライバーに向けたデザインとしたのも特徴のひとつだ。
ボディサイズは、旧型に対して全長を36mm、全幅を32mm拡大する一方、全高を13mm低めて、全長3952×全幅1682×全高1454mmとした。それでいて、ホワイトボディの重量は旧型に比べて7.5%も少ないという。トランク容量は旧型より10リッター増えて280リッターとなった(荷室拡大時は952リッター)。
新型ポロ ブルーモーション
■TSI+DSGが走りを一新
エンジンは、ガソリン仕様として、1.2リッター(60psと70ps)、1.4リッター(85ps)、直噴ターボの1.2リッターTSI(105ps)の4タイプを用意。1.2 TSIには6段マニュアル、他には5段マニュアルが標準で組み合わされる。1.4と1.2TSIならデュアルクラッチギアボックスの7段DSGをオプションで選ぶことも可能。1.2 TSI+6MTを搭載した場合の燃費は5.5リッター/100km(=18.2km/リッター)、CO2排出量は129g/kmとなる見込みだ。
ディーゼルは3種類の1.6リッターターボ(75ps、90ps、105ps)が用意されるほか、90ps版搭載モデルをベースとした"ブルーモーションパッケージ"が遅れて追加される予定。5段マニュアルトランスミッションとの組み合わせにより燃費、CO2排出量はそれぞれ3.8リッター/100km(=26.3km/リッター)、96g/kmを達成するという。
フォルクスワーゲンはさらに、2010年に市販を予定する低燃費のコンセプトモデル「ポロ ブルーモーション」をこのジュネーブショーで発表した。こちらは1.2リッターの直噴ディーゼルターボやアイドリングストップ機構、空力ボディパッケージなどにより3.3リッター/100km(=30.3km/リッター)、87g/kmという低燃費を目指す。
新型ポロの足まわりは、前:マクファーソンストラット、後:トレーリングアームと形式こそ先代と変わらないが、より高い安定性と乗り心地を重視したセッティングになるという。パワーステアリングは、電動ポンプにより発生させた油圧で操舵力をアシストする電動油圧タイプを引き続き採用する。
このように、新しいデザインと最新のパワートレインを手に入れて、急速な進化を遂げたように見える新型ポロ。6月最終週のドイツを皮切りに、その2週間後にはヨーロッパで販売を開始する。
気になる日本市場は、2009年内の導入を目指して現在調整が行われているということ。輸入コンパクトカーを検討している人にとって有力な候補になるのは間違いないだろう。
(引用=webCG 生方聡)