アルド・プロッティはイタリアの名バリトンで発声の神様でした。日本にもM・デル・モナコ達と訪れ素晴らしい演奏をしています。主人の師匠でした。主人は30年前にイタリアのコンクールの本選で急に高い声が出なくなり2位になったのですが、その時審査員だったプロッティと街中で出会い、「どこで息をしているか」と聞かれてお腹を思いっきりふくらましたところ、「NO,お前は間違っている、腹はひいて肺をふくらませろ」というアドバイスでなんなく声を取り戻しました。それからすぐプロッティの教えを乞うために引っ越したのは言うまでもありません。昨今音大でも間違った発声がまかり通っており、嘆かわしいことです。若い人達が可哀想です。これは日本だけではなく世界的な傾向でもあります。だからこそプロッティは死後ますますその評価が高まっているのかもしれません。恥ずかしながら彼の発声の継承者として頑張っていきたいと思います。
ジュゼッペ・ディ・ステファノも主人の師匠です。そのドラマチックな歌声は一世を風靡しました。一昨年強盗にあって怪我をされたのでコモの自宅へお見舞いに行き、哀しい再会をしました。奥様のモニカさんもとてもいい方です。
今年はお墓参りに行きたいと思っています。