mixiで趣味の話をしよう

mixiコミュニティには270万を超える趣味コミュニティがあるよ
ログインもしくは登録をして同じ趣味の人と出会おう♪

犬島アートプロジェクト

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細 2024年2月19日 13:51更新

公式ホームページ
http://www.inujima-ap.jp/

※見学方法等のインフォメーションは、こちら。
http://www.inujima-ap.jp/jp/information/


<コンセプト>
「精錬所」は、今後犬島全体で展開を予定している犬島アートプロジェクトの第1期として、最初に公開する施設です。

それは、犬島の近代化産業遺産である遺構を保存、再生し、自然エネルギーを利用した、環境に負荷を与えない三分一博志の建築、その三分一とコラボレートすることを前提とした柳幸典のアートワーク、岡山大学環境理工学部と協働した環境システムなど、「建築・現代アート・環境」による新たな地域創造のモデルとして循環型社会を意識したプロジェクトといえます。


<近代化産業遺産としての精錬所>

銅は江戸期より主要な輸出品として日本経済を支える存在でしたが、銅の精錬時に発生する煙害対策や原料輸送の利便性の観点から、瀬戸内海の島々に精錬所が建設されました。

1909年に地元資本によって建設された犬島精錬所もそのひとつであり、後に藤田組、住友へ経営者を変えつつ銅の精錬を行いましたが、銅価格の大暴落により約10年で創業を終えました。犬島では一時的に人口が急増し、港の周辺には会社の社宅や飲食店、娯楽施設等が建ち並び、銅生産の好調ぶりが反映されました。現在の犬島には、銅の精錬過程で発生する鉱滓からなるカラミ煉瓦造りの工場跡や、大煙突など独自の産業景観を形成し、90年近くを経てかつての大規模な精錬事業を伺わせる遺構が良好な形で残されています。

また犬島精錬所跡地は日本の産業発展の過程において革新的な役割を果たした遺産として、平成19年度経済産業省による「近代化産業遺産群story30」に認定されています。


<建築>

設計: 三分一博志建築設計事務所
三分一博志 「精錬所」
敷地面積 52012.14m²
建築面積 1997.05m²
延床面積 789.59m²
構造・規模 鉄骨造、一部木造、1階

[建築コンセプト]
「精錬所」の建築は、絶え間ない自然のサイクルの一部、地球のディテールの一部としての建築で、環境との共生を具現化したものです。

それは、自然エネルギーである太陽、地熱、気候と、銅精錬所の副産物であったカラミ煉瓦や、犬島石(花崗岩)、鉄などの犬島に由来する素材、そして島の地形や既存の近代化産業遺産(煙突)を利用し、夏は空気を冷却、冬は暖めるという構造で館内を快適に保ち、周囲の環境にできるだけ負荷を与えない施設となっています。

この建物は、館外に設置した気象計測機器によって温度、湿度、日射量などのデータを記録、調整しながら完成します。いはば、犬島という環境で自然の一部として変化、成長していく建築であるといえます。

[三分一博志]
1968年生まれ。東京理科大学理工学部建築学科卒業。小川晋一アトリエを経て、三分一博志建築設計事務所設立。広島にて設計活動を開始。2000年SDレビュー新人賞(Running Green Project)。2001年同朝倉賞(三輪窯)、カナダグリーンデザイン賞最優秀賞(カナダ/Running Green Project)。2003年 ar+d award(イギリス/三輪窯、エアーハウス)、第19回吉岡賞(エアーハウス)、2005年Detail Prize 2005(ドイツ/三輪窯)等受賞。


<環境システム>

循環型社会をテーマとした「精錬所」では、自然に配慮した環境づくりを行います。

従来のように汚水を直接海に流すのではなく、植物の力を借りた高度な水質浄化システム(Bio Geo Filter(B.G.F.))※1を利用しています。

また植栽としては、環境調査のうえ、犬島の環境に合わせ、海浜付近では耐塩性の高い植物や、条件の悪い生育環境でも育つ植物を植え、時間をかけて自然環境をつくりあげていきます。「精錬所」では、循環型社会のモデルを目指す施設そのものが、自然を壊さないような緑化システムや、植栽を取り入れています。こうした環境システム設計には岡山大学環境理工学部の全面的な協力に因っています。

※1Bio Geo Filter(B.G.F.)とは、バイオ=生物、ジオ=土壌、フィルター=ふるいを意味します。これは、ろ過機能のある植物と鉱物の組み合わせを排水路にセットし、植物の養分吸収機能、ろ材の吸着とろ過機能、および付着した微生物の浄化機能を有効に利用するものです。

※2岡山大学環境理工学部は、国立大学で環境と名の付く最初の学部を設置し、「自然環境と人間活動の調和」をスローガンに教育・研究をおこなっています。


<アートワーク>

柳幸典
「ヒーロー乾電池」(2008年)
素材:三島由紀夫「松濤の家」の廃材、犬島石、犬島スラグ、犬島カラミ煉瓦くず、水、鏡、フロストガラス、鉄フレーム、金メッキ鉄、映像、音響

[アートワークについて]
柳幸典は、ドル札、万国旗、軍艦、ヒノマルなど、ある体制や社会で消費されてきた象徴的な記号を抽出し作品化することで、既存の枠組みや境界を曖昧にし、観る者の足もとを揺さぶり続けてきました。

ライフワークのひとつとする犬島アートプロジェクト「精錬所」では、建築との協働による4つのスペースをひとつの作品として展開します。作品の素材として、ある家の部材と、犬島から産出される石、銅精錬の過程で派生するスラグなど地場的な素材を使用しています。導入から結尾までの一つの空間体験を通し、観る者が思考の枠組みを転換するようなプロセスをデザインしている点は、柳の新たな局面であるといえるでしょう。

日本の近代化に貢献し、かつて隆盛を誇ったが、現在はその事跡を残すのみとなった犬島精錬所跡に、今日の日本のあり方を、ひとつのイデオロギーとしてではなく、個々が沈思するような場所を提示しています。

[柳幸典]
1959年生まれ。武蔵野美術大学を経てイエール大学大学院美術学部彫刻科終了。80年代後半より日本、アメリカを中心に作家活動。ベネッセハウス、クイーンズ美術館(ニューヨーク)、広島市現代美術館等で個展。第45回ヴェニス・ビエンナーレ、アペルト部門で受賞。グッゲンハイム美術館での「戦後日本の現代美術」展や、リヨンビエンナーレ(フランス)、ホイットニー美術館「バイアニュアル」展など国際展にも多数出品。作品はベネッセハウス、東京都現代美術館、テートモダン(イギリス)、ニューヨーク近代美術館、オーストラリア国立ギャラリー等国内外の美術館に所蔵される。

代表作
「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム1990」(1990年)
素材:蟻、着色した砂、プラスティックボックス、プラスティックチューブ、プラスティックパイプ、LCDモニターによるドキュメンテーション映像
サイズ:各24×30cm(×170個)全体サイズ:12m×2.3m

「ヒノマル・イルミネーション」(1992年)
素材:ネオン管、ネオン変圧器、プログラミング回路、着色したスチール
サイズ:300×450×40
サイズ:各24×30cm(×170個)全体サイズ:12m×2.3m

「ワン・ダラー(C92400328F)」(1999年)
素材:蟻、着色した砂、プラスティック・ボックス、プラスティック・パイプ
サイズ:43×103cm

コミュニティにつぶやきを投稿

最近の投稿がありません泣き顔
つぶやき・トピック・イベント・アンケートを作成して参加者と交流しようわーい(嬉しい顔)
参加メンバー 611人

もっと見る

開設日
2008年5月25日

5849日間運営

カテゴリ
アート
関連ワード
関連ワードを登録しよう

編集から関連ワードを登録すると、コミュニティがmixiワードに表示されるようになります!