佐竹氏の家祖、新羅三郎義光(源義光)は、陸奥守鎮守府将軍
として前九年の役を戦い、その武勇を天下に知られた源頼義の
三男である。また、義光の兄には頼義と共に前九年の役を戦い
「天下第一の武勇の士」と称えられた長男の八幡太郎義家がいる。
(尚、義家の子孫には鎌倉幕府を開いた源頼朝、そして室町幕府を
開いた足利尊氏などがいる)つまり佐竹氏は清和源氏の血を引く、
素性が確かな由緒正しい名門中の名門であるといえる。
また、佐竹氏の特筆すべき点として、平安時代の新羅三郎義光から
明治維新に至るまで、常陸国に20代470年間、出羽国で
12代270年間の繁栄を続け、実に740年間も絶えることなく
連綿と続いた『家』であるということである。皇室や公家は別として、
戦乱の中に身を置かざるを得ない武家でこれだけ長く続いた名門は
珍しい。類例としては室町時代の守護職で近世の大名として残存
できたものが、佐竹氏を含め、小笠原氏、京極氏、宗氏、島津氏と
あるが、小笠原氏、京極氏に至っては、戦国時代に一度没落、滅亡
しており、領国を失った結果、流浪を余儀なくされている。(また、
家を再興したのは小笠原氏、京極氏ともに嫡流ではなく、どうやら
傍流のようである)また、島津家も先祖は頼朝の御家人であり、
宗氏についても初代重尚以前の系譜は定かではなく、清和源氏の
名門である佐竹氏には遠く及ばない。他の諸大名についてもほとんど
似たようなものである。つまり佐竹氏は日本史に登場する数多くの
武家の中でも、類稀なる最長不倒の存在であり、奇跡的なまでの
生命力を誇った日本史上屈指の武家の名門であったといえるのである。
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