テキストは丹羽敏雄教授による“射影幾何学入門”。
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いきなり出足の章のタイトルが「古代エジプトと幾何学的精神」。カルシウムがサル(塩)的な力を持つとか、天秤座は黄道12宮の中で唯一、無機物であるとか、極めて錬金術的なインスピレーションに富んだ文章がちりばめられている。「ユークリッド的計量は天上的なものの地上化である」「月とは物質、太陽とは精神である」等、何ひとつ臆することもなくシュタイナー思想が堂々と紹介されている。“射影空間はエーテル的空間で、ユークリッド空間は物質的空間である”射影空間においては点と面は双対関係にある――双対射影空間から生まれる双対ユークリッド空間のことをシュタイナーは負のユークリッド空間、もしくはエーテル空間と呼んだ。さらには、植物や動物の形態形成がある程度は射影空間の考え方で説明できること、さらには、プラトン立体に関しても射影幾何学的な見方から野心的な示唆を施したりもしている。
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シュタイナー派による形態論といえば、テオドール・シュベンクによる“カオスの自然学”。
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流体の作り出すさまざまな形態を通じて、水と大気の遊星である地球の上に誕生した生命現象の本質に迫る。生命の起源から言語の発生まで、自然界の神秘を鮮やかに描写。ノヴァーリス、ゲーテら、ドイツロマン派の伝統を継ぐ、イマジネーションに富んだ自然学の快著。
シュベンクやジョン・ウィルクスといったシュタイナー派の人間による流体研究は、フローフォルムと呼ばれている。
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さらにシュタイナー思想で重要な多面体研究というコトで、準結晶建築家の日詰明男氏についても考察する。
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