あくまで読者の立場で言わせてもらうのですが、最近、面白いエンタメ小説が少ない! そう思いませんか?
なぜ少なくなってきたかと言うと、人間や社会を描くことを軽視した作品が増えてきたせいじゃないかと思うのです。トリックさえあればOK、物語は邪魔だというミステリー。怖けりゃOK、物語は邪魔だというホラー。エロ(グロ?)けりゃOK、物語は邪魔だという官能小説。そんな小説が、そんな小説だけを大事にしていこうという風潮が、業界全体に広まりつつある気がするんです。
『ただ、熟知した分野の話をちゃんと書けば書くほど、ミステリ的な派手さとか緻密なトリックとか意外性とかが浮いてしまう。特殊業界のリアリティや社会性を重視すると、だったら殺人事件なんて起きる必要ないじゃん、(小説にとって)邪魔じゃんってことになりがちなんですね。乱歩賞に限らないけど、館ものとか孤島ものとか、本格ミステリ伝統の人工的な舞台でなら成立する話が、なまじリアルな世界を舞台にしたためにウソっぽく見える例はすごく多い。ある意味、乱歩賞の病とも言えるでしょう』
(『文学賞メッタ斬り!』 ちくま文庫 P150〜P151)
『?人生を出さない
このジャンルの小説は、あくまでも読者を性的快感へと誘うことである。いわば、気持ちのいい非日常だ。とすると、その性的快感に後ろめたさを覚えてしまうような内容はちと、つらい。
(中略)
このように、読者が登場人物の世の処し方を見て、「人生」を考えてしまったり、「申し訳なさ」をついつい感じてしまうような内容はできるだけ避けるべきである。下半身でなく、大脳皮質に訴える内容になってしまってはダメなのだ。もしも性をテーマに女性が置かれた社会状況について問題提起したいのなら(もちろん、そのこと自体を否定したりはしません)、ジャンル、発表媒体を再考すべきだというのは当然のこと。送ってこないでください』
(『作家養成講座 官能小説編』 KKベストセラーズ P234〜P235)
『どういうものが一番怖いかと言うと、訳が分からないもの、何が何だか分からないものが一番怖いんです。恨みとか、怨念とか、理屈で説明が付く恐怖は怖くないんです』
(某ホラー作家のコメントの要約)
物語性を軽視したエンタメ小説を好む読者が居る訳だから、そういう作品が供給されることに問題は無いと思います。
でも、物語性のある小説を求めている読者だってたくさん居るんだということを忘れないで欲しいんです。物語性があるからダメ、人間を描いているからダメ、社会性があるからダメでは、エンタメ小説は「目黒のさんま」のようにパサパサになってしまいます。
・私は、人間の描けているミステリーが読みたい(書きたい)という方
・私は、人間の描けているファンタジーが読みたい(書きたい)という方
・私は、人間の描けているホラーが読みたい(書きたい)という方
・私は、人間の描けているハード・ボイルドが読みたい(書きたい)という方
・私は、人間の描けている恋愛小説が読みたい(書きたい)という方
・私は、人間の描けている時代小説が読みたい(書きたい)という方
ぜひご参加ください。そして、私は官能小説家ですので、
・私は、人間の描けている官能小説が読みたい(書きたい)という方
も大歓迎です。総じて、
・私は、人間の描けているエンターティンメント小説が読みたい(書きたい)という方
の参加を求めます。もちろん、
・私は、人間の描けている純文学が読みたい(書きたい)という方
も大歓迎です。
ミステリー小説もホラー小説もファンタジー小説も、そして官能小説も、全部小説です。だとすれば、まず小説として面白いということが大前提でしょう。ミステリーとしての質がどうとか、ホラーとしての質がどうとか、ファンタジーとしてどうとか、エロの質がどうとかいう話は、まず小説としての最低ラインをクリアしてから考えるべきことだと思います。
私の考えに賛同してくださる方、ぜひご参加ください。
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