Christoph Heemann と Andrew Chalk
による音楽。
あらゆる全ての繋がりから切り離された表現
はこの世界には存在しない、と誰かが言い
切った時、ぼくはその人を信じない。
ぼくは彼等の音楽を想像する。
切り離されていると、目に見えて理解しな
がらもぼくは彼等の漂う霧の中にいるのだ。
彼等の音楽にも例外なく歴史が存在する。
歴史が彼等の音楽を産み落とした。
歴史によって産まれた音楽がいつしか歴史
そのものとなり、音楽は忘れられる。
彼等は人知れず瞬間へと向かう。
忘れること、忘れられることへの歓喜。
忘却の祝祭を彼等は、密やかに記憶する。
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彼等の全てを聴くことはかなり困難である
とは思いますし、記録媒体や再生環境の差
異によっておそらく体験を決定的に語り出
せていない状態にあると思います。
ここではお互いの体験を共有するのではな
く、彼等の音楽を構成している基本的な性
質について考察していけたらと思います。
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