笹生 陽子(さそう ようこ)。
東京都生まれ。
慶応義塾大学文学部人間関係学科人間科学専攻卒業。
1995年『ジャンボジェットの飛ぶ街で』が講談社児童文学新人賞佳作となる。
1996年『ぼくらのサイテーの夏』でデビュー。同作品で第30回日本児童文学者協会新人賞、第26回児童文芸新人賞を受賞。
2003年『楽園のつくりかた』で第50回産経児童出版文化賞を受賞。
■『ぼくらのサイテーの夏』■1996年 講談社
一学期の終業式の日、ぼくは謎の同級生、栗田に「階段落ち」の勝負で負けた。ケガをしたうえ、夏休みのプール掃除の罰まで下された。よりによって、あの栗田とふたりきりで…。
サイテーの夏がはじまった。
■『きのう、火星に行った。』■1999年 講談社
6年3組、山口拓馬。
友だちはいらない、ヤル気もない。クールにきめていた。
ところが突然、病気がちの弟、健児が7年ぶりに療養先から戻ってきて、生活が一変する。家ではハチャメチャな弟のペースに巻き込まれ、学校では体育大会のハードル選手に、でくちゃんと選ばれる…。少年たちの成長に感動必至。
■『さよならワルガキング』■2001年 汐文社
おかんの財布から300円盗ったら、バレて塾通い決定。
そこで出会った橋本は「カッコイイ、弟子にして」というへんな奴。
なんだよと思っていたオレだけど…。
ワルに憧れていた少年が本当のかっこよさに気づくまでを描く。
■『楽園のつくりかた』■2002年 講談社
エリート中学生に転校の悲劇。しかもド田舎の学校。
「ちがう者同士がひしめき合って生きているのが世の中です。衝突があってあたり前。人間、もまれて強くなる」
退屈な田園に届く、おとうさんからのEメール。ぼくのユーウツを癒す、救いのメッセージ。
でも、おとうさんって……?
■『ぼくは悪党になりたい』■2004年 角川書店
僕の名前は兎丸エイジ、17歳。
父親は不在、奔放な母親と腕白な異父弟・ヒロトとの3人で平凡な生活を送ってる。
毎日炊事、洗濯、ゴミ捨てと家事全般をこなす「平凡」な高校生の日常が、ある日を境に少しずつ崩れてきて…。
■『バラ色の怪物』■2004年 講談社
遠藤トモユキ、2年C組。
2学期の始業式、屋上で光が閃いた時から、彼のまわりは動きはじめた。
奇行マニアのトラブルメーカー・吉川ミチル。行動する中学生の会/代表・三上ハルヒコ。そして、人波を切り裂き歩く、青いつなぎの男―。
新しい出会いが遠藤にもたらした、世界のもうひとつの顔とは。
■『サンネンイチゴ』■2004年 理論社
ある朝、学校一のトラブルメーカーがとなりの席に座っていた。現実のあたしは、思ってることとやってることのつりあいがまるでとれてない。でも、いくら無口でおとなしくても感情がないわけじゃない。
プライドもあるし、意地もある。
ゆずりたくない一線がある。
くだらない日常、灰色の毎日、やることなすことカラ回りのあたし。
が、いつのまにか友情の三角関係の中にいた―14才のホンネ小説。