1770-1780年代の後期ロココの文化風俗などを考察するコミュニティです。
ルイ15世時代に盛期を迎えるロココ芸術はその優雅さの極致に達し、宮廷を中心にして広く貴族社会に浸透していきます。この様式はフランスを中心にヨーロッパ諸国へ拡大し生活全般へまで影響を与えます。
しかし、その繊細優雅な趣味も、60年代を越えた頃から様々な歪を生み、政治の腐敗や退廃的な時代の空気から均整さを欠いていきます。特に1770年代から80年代にかけての革命前夜、そのような不安な時代背景とは裏腹にヴェルサイユとトリアノンは王妃マリー・アントワネットを中心に服飾などの文化、流行の発信源となって各国宮廷の羨望の的となります。
この時代はシンプリシティへの傾向が顕著で、後の新古典趣味やナポレオン時代の古代ギリシア・ローマ風の流行への源流となりました。
TOP画像はスウェーデン人でフランスで活躍した風俗画家のニコラ・ラヴランスNicolas LAVREINCE(Lafrensen 1737-1807)の原画を元にした1785年の『La Consolation de l'absence』と題された銅板画