日本でメディアを学問として大成させた大黒岳彦。
(私の知る限りでは)
メディアの時代的発展について、技術決定論に籠絡されることなく、その意義を社会的文脈に捉えようとする姿勢は賞賛に値する。
◆主な著作
『謎としての”現代”:情報社会時代の哲学入門』(2007年、春秋社)
『<メディア>の哲学:ルーマン社会システム論の射程と限界』(2006年、NTT出版)
◆経歴
東京大学教養学部を卒業
東京大学理学系大学院博士課程単位取得退学
日本放送協会に入局(番組製作ディレクター)
東京大学大学院学際情報学府にて博士単位取得退学
現在、明治大学情報コミュニケーション学部助教授
◆検索キーワード
メディア論、ルーマン、イニス、マクルーハン、ハヴロック、オング、ベンヤミン、キットラー、ドブレ、デリダ
◆メディア論について
グーテンベルクの活版印刷技術、アンダーソンが言うように新聞、小説といった出版資本主義で、世界はメディアに覆われ、時間、空間的に人々の距離は縮まったが、ナショナリズムという病魔に冒され、ナショナリズム間での温度差によって再び隔離へと蔽いやられる。
そして現在、ラジオやテレビはもとより、インターネットといったメディアの影響により、人々のコミュニケーション環境は劇的に変容しつつある。
ルーマンに倣えば、コミュニケーションこそが、世界のシステムにおける機能であり、それを取り巻く、インターネットなどのメディアが構造である。このような状況をどのように見ていくのか?
単に、技術が発展していくのを静観するのか?いややはり技術は人間に資するものであってこそ技術である。
したがって、技術がどのように発展するのかではなく、それが資するべき社会にどのような影響を与えるのかを測量していきたい。