レコーディングのゼミです、ここはおそらく学ぶ場所でしょう。レコーディングゼミは、音響物理学と音楽理論のレクチャーを中心としています。本気で自分の作品のスキルアップを求めているアーティスト達と大学生(特に理工系の学生と院生)にのみ講義とレコーディングを行っているゼミですので、受講には作品または論文、または大学で現在行っている研究の審査が必要です。また、このゼミには他のゼミとは違う点が1点だけあります。それはSTEP1・STEP2という2冊のTEXTがあるということです。TEXTのカリキュラムは
STEP1 ダイアトニック
1)ダイアトニック
2)音の呼び方
3)2つの音と音との間隔の呼び方(音程)
4)3つ以上の音が同時になっているときの呼び方(コードネーム)
5)ダイアトニックコードの中に含まれる音程の持つ効果と不協和度
6)7つのダイアトニックコードはその機能に因って大きく3つに分類する事ができる
7)終止型と循環コード
8)同じ機能を持つ和音同士の置き換え
9)アヴァイラブルコードスケールとアヴォイドノート
10)テンションノート
11)和声的なアレンジと旋律的なアレンジ
STEP2 ノンダイアトニック
12)ダイアトニック以外の音の考え方(ノンダイアトニック)
13)ダイアトニックコードを強調するために使われる2次的ドミナントと使用可能なスケール( Secondry Dominant )
14)サブドミナントからトニックに解決する時に使われるリーディングノートの補強と使用可能なスケール( Sub Dominant Minor )
15)ドミナント7thコードの代理コード
16)ドミナント7thコード上で使用可能なノンダイアトニック音の考え方 1
17)ドミナント7thコード上で使用可能なノンダイアトニック音の考え方 2
18)転調と移調
19)マイナースケールとマイナーキー
20)マイナーキーの考え方1 Natural Minor
21)マイナーキーの考え方2 Harmonic Minor
22)マイナーキーの考え方3 Melodic Minor
23)CHORD VOICING 1( orchestration-1 )
24)CHORD VOICING 2( orchestration-2 )
となっています。
STEP1は一般的にバークリーメソッドと呼ばれている(R&B・ポピュラー&JAZZ)の一般教養としての音楽理論の解説書。STEP2はSTEP1で学習した事を、より専門的に様々な角度からとらえて最終的には12音全てを使用可能にする考え方を解説する為のガイドブックです。
研究者には「STEP1=In Going・ STEP2=Out Going」のTheoryですと説明した方が解りやすいかもしれません。
この2冊のテキストをレクチャーした上で受講生が自由に自己表現を行い、創造し、レコーディングして音源として固定化し、作品の評価やプロモーションについてディスカッションを重ねる事によってクオリティーを高めていく事が、このレコーディングゼミの主旨です。
また、レコーディングゼミでは音楽理論だけではなく基礎的な音響物理学の知識を応用したMIXやSoundFieldの研究も行っています。