2007年6月発売
東芝EMIからリリース
エルガーボックスCDの期間限定コミュです。
1926年から始まったフレッド・ガイスバーグのプロデュースによる電気録音のプロジェクトであるエルガーの自作自演集は、作曲者が人生最後に成し遂げた大仕事である。その作業は作曲家が病床に伏してからも進められた。最後にはエルガーがベッドに寝たままマイクロフォンを通じスタジオへ指示を送りながら作業が行われている。これらの録音は、そんな状況を克明に伝える貴重なドキュメントとしての存在価値がある。
エルガー以外にも自作品の録音を残した作曲家は存在しているが、残念ながらその多くは必ずしも「名作曲家イコール名演奏家」ではないということ証明している。エルガーの一連の録音に関しても、演奏技術、録音水準ともに、それなりのハンディキャップを考慮して耳を傾けないと鑑賞するのは難しいかもしれない。それは当時の電気録音で使用されるSPレコードの吹き込み時間がわずか3分足らずの収録時間しかないため、その収録時間を意識するあまりに長大な作品を演奏するときには、やや不自然なテンポとならざるをえなかったためというのもあるだろう。逆にその収録時間を気にしなくともよい小品など、実に余裕のある伸び伸びとした演奏となっている。
しかし、これらの歴史的録音は、エルガー作品を演奏する現代の多くの演奏家にとって正にバイブル的存在となっている。前述したようなハンディキャップはあるにせよ、これらは作曲家自身が指し示した重要な手がかりであることには変わりない。
ここではエルガーの自作自演の録音について、熱く語りましょう。また新情報も随時追加していきます。