ガボン、正式名称ガボン共和国はアフリカ中部の国。赤道ギニア、カメルーン、コンゴ共和国と国境を接し、ギニア湾に面している。
歴史
先住民としてバントゥー族が暮らしていたが、15世紀末にポルトガル人が渡来し、奴隷貿易を行った。ついで、オランダ、イギリス、フランスが進出してきた。この地は奴隷貿易と象牙の集散地として栄えた。1885年にこの地域をフランスが占領した。1910年にフランス領赤道アフリカの一部となり、この状態は1959年まで続いた。1960年8月17日に独立した。
ガボンの初代大統領は1961年に選挙で選ばれたレオン・ムバである。ムバは1967年に死亡し、副大統領のオマール・ボンゴ・オンディンバがその跡を継いだ。ボンゴ・オンディンバは、1993年末の大統領選挙で5選を果たし、現在もなお大統領職にある。
政治
ガボンは共和制・大統領制を採用する立憲国家である。
国家元首である大統領は国民による直接選挙で選出され、任期は7年と長く、また再選制限がない。大統領は強大な権力を憲法により保障されている。
内閣に相当する閣僚評議会は首相および閣僚で構成されるが、実際の行政権は大統領が行使し、閣僚評議会はその執行機関に過ぎない。よってその権力は極めて小さく、大統領の補佐機関であるといえる。
議会は二院制で、上院(91議席)と下院(120議席)で構成される。上院議員は地方議会により選出され任期は6年。下院議員は国民の直接選挙で選出され任期は5年。
主要政党にはガボン民主党(PDG)がある。PDGは旧独裁政党で、現行憲法により複数政党制が承認されてからも、議会内で圧倒的多数を占める支配政党である。他の主な政党には林業労働者国民連合(RNB)、ガボン進歩党(PGP)、民主共和同盟(ADERE)があるが、いずれもPDG寄りか、政治勢力が小さいため、政権交代の可能性は極めて低い。