犬は古くから人間と共に暮らしてきました。
現在でも、牧羊犬、猟犬、そり犬、荷運び犬、番犬、盲導犬、聴導犬、介助犬、災害救助犬、警察犬、麻薬探知犬、セラピー犬、と様々な分野で欠かかすことのできない大切なパートナーです。
一般に、牧畜社会、遊牧社会、狩猟採集社会では犬は生活の友として愛され、食用とする事が忌まれる傾向にあります。
また、イスラム社会では、犬は穢れた動物と考えられ、食用として扱われることはありません。
犬食文化があるのは中国や朝鮮半島、東南アジアやオセアニア島嶼域の様な農村的社会です。
現在でも犬肉を常食としている地域は韓国、北朝鮮、そして中国でも朝鮮族の多い吉林省のほか、湖南省、貴州省、雲南省などです。
■日本
日本では『日本書紀』天武天皇5年(675年)4月17日のいわゆる肉食禁止令で、4月1日から9月30日までの間、稚魚の保護と五畜(ウシ・ウマ・イヌ・ニホンザル・ニワトリ)の肉食を禁止されました。
以後たびたび禁止令がだされ、表面上は犬食の風習を含め肉食全般が「穢れ」と考えられるようになりました。
また、奈良時代に犬食の禁令が出され、その後犬食を禁忌とする習慣が広まりました。
明治維新以降、西欧の「愛玩動物」の概念が持ち込まれ、愛玩動物に該当する動物を食べる行為は嫌悪の対象となりました。その後、忠犬ハチ公の物語が多くの人々の感動を誘い、日本では犬を愛玩する風潮が高まりました。
日韓併合後、朝鮮に犬食の文化があることが知られるようになると、朝鮮民族に対する偏見と蔑視の感情を助長する一因となりました。
■中国
中国では、五胡十六国時代に鮮卑等の北方遊牧民族が華北を支配した為に、犬食に対する嫌悪感が広まりました。
北方遊牧民族が入らなかった南朝でも、5世紀頃から犬を愛玩用として飼う風習が広まり、特に上流階級はペルシャ犬を愛好しました。
この為、南朝でも犬食を卑しいとする考えが広まり、時代が下がるに連れて犬食の風習は廃れてました。
しかし、完全に廃れたわけではなく、朝鮮族の多い吉林省のほか、湖南省、貴州省、雲南省などでは現存しています。
■香港、台湾
香港では犬食に嫌悪感の強いイギリスの支配を受けたため、犬肉の流通は禁止されています。
台湾では香肉という呼び名で好事家の食文化として存在していましたが、民進党の政権獲得後、2001年1月13日に、犬、猫を食用目的で屠殺する事を禁じる動物保護法が施行されました。2003年12月16日には改正され、販売も罰則対象に含まれるようになりました。
■韓国、北朝鮮
朝鮮半島は、犬食が非常に盛んな地域です。
これは、北方遊牧民族の直接支配を受けた事が少なく、犬食に対する嫌悪感が広まらなかった為だと考えられます。
朝鮮半島ではかつては庭先等で人糞を食べさせて育てた犬肉を最高級とする風習があり、贈答用にまで使われました。これをトンケといいます。
北朝鮮では、食糧難の中、数少ない蛋白源として珍重されています。
韓国では、1988年のソウルオリンピックの前に、犬食いを野蛮とする西洋の批判を避ける為、犬肉店は大通りから遠ざけられました。しかし現在でも犬肉は滋養強壮、精力増強、美容に良いとして、専門店で供されています。
最近ではウリ党政権下のナショナリズムの高まりにより、犬食文化を隠すのではなく、民族の文化として広く世界に知ってもらおうとするキャンペーンも行われています。
犬肉料理としては韓国料理ポシンタン(補身湯)が有名です。
朝鮮日報「犬肉を世界的な食べ物に」
http://
中央日報「犬肉食用に賛成79.1%」
http://
中央日報「犬肉、年間200万頭を消費」
http://
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