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モホス古代文明

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詳細 2024年2月25日 08:32更新

アマゾン川は南米大陸の心臓部を流れ、大西洋に注ぐ大河である。この大河は高温多湿の熱帯地域にあり、世界最大の流域面積と熱帯雨林を有する。その巨大さのため、アマゾンの世界はいまもって未知の領域が多く、謎と神秘に満ちている。それもあって、古くから人々の想像力をかきたててきた。また現在では、熱帯雨林の破壊という環境問題において世界の注目を集めている。そのアマゾン川地域に、かって巨大な文明が栄えた。

 そうはいっても、つい四〇年ほど前までは誰も信じる者はいなかった。なぜなら、アマゾンには人間の生活にとってあまりに過酷な自然が存在するからだ。そのため、ここは不毛な処女地であると考えられていた。アマゾンには文明はなく、未開と同一視されていたのだ。だがその後、古代における文明活動を示すさまざまな痕跡が見つかり、それに続いてアマゾン古代史をめぐる激しい論争があった。その結果、現在では古代のアマゾンにおいて本格的な文明が存在したことが判明している。

 よく文明は大河のほとりに成立するといわれる。いわゆる旧大陸の四大文明がそうである。新大陸においてもまた、この通説は真実であった。アマゾン川流域に文明が存在したのである。しかもこの文明は、その規模と古さにおいてこれまでに知られたすべての文明を凌駕するかもしれないのだ。世界史は、古代アマゾン文明を含めた五大文明の時代を迎えたといえる。


ボリビアに栄えた古代モホス文明

では、この文明はアマゾンのどこに存在したのか。ボリビア共和国北東部のボリビア・アマゾン地域である。ボリビアは南米大陸のほぼ中央に位置する。北側をペルー、東側をブラジル、西側をチリ、そして南側をパラグアイとアルゼンチンに囲まれた内陸国である。面積は一一〇万平方キロで日本の約三倍、人口は約八六〇万で、その五五%がアイマラ族、ケチュア族を初めとする先住民族である。政治・経済・文化の首都ラパスは、郊外のエル・アルトを含めると約一五〇万の大都市である。

ボリビアは、日本にはなじみの薄い国である。一般の人がボリビアと聞いて思い浮かべるのはアンデス山脈とチチカカ湖、それに革命の闘士チェ・ゲバラぐらいであろう。

ボリビアは山岳国として知られている。西側に世界第二を誇るアンデス山脈が走り、六〇〇〇メートル級の霊峰が連なる。その姿は息をのむほど美しい。首都ラパスも、また三六〇〇メートルの高地にある。しかし意外に思えるかもしれないが、ボリビアの三分の二は低地である。東側に行くと高度は急に下がり、その先には広大な熱帯の低地が広がっている。これがアマゾン川の上流地域、ボリビア・アマゾンである。名前をモホス大平原という。南米で三番目に大きい平原である。ここに、かって巨大な文明が栄えた。この文明を、これから「古代モホス文明」と呼ぶことにする。


ようやく脚光を浴びた文明

 古代モホス文明の最初の発見は、いまから一〇〇年近く前にさかのぼる。二〇世紀の初頭、スエーデンの有名な民族学者エルランド・ノルデンショルドは、モホス大平原を調査中にいくつもの人工のマウンド(盛り土)を発見し、そのうちいくつかを実際に発掘している。彼はそこから多量の土器、貝殻などを採取した。ノルデンショルドはそれが古代のものであることを確信したが、当時は年代測定の方法も知られておらず、それ以上の探求は望めなかった。また、アマゾンにおいて古代文明が存在したという事実を認める人間は、ほとんどいなかった。古代モホス文明の存在が一般に知られ始めるのは、一九六〇年代になってからのことである。ノルデンショルドの発見を確かめるべく、アメリカの地理学者ウイリアム・デネヴァンはモホス大平原において本格的な現地調査を行った。デネヴァンはその結果を一九六六年に出版、きわめて優れたモホス古代文化の研究を残した。その後、アメリカ人地質学者ケネス・リー、ボリビア人技術者リカルド・ボテーガ・シーレス、またアメリカ人考古学者クラーク・エリクソンなどによっても調査され、その全体像が少しずつ姿を現すことになる。

 残念ながら古代モホス文明は、日本ではまったく知られていない。地元のボリビアにおいても、そして欧米においても、ごく最近まではあまり話題にされることはなかった。だが、いまや世界の学問の最前線において熱い視線を浴びつつある。欧米各国のメディアもまた、これを取り上げ始めた。なかでもイギリスのBBCは、とくに関心を持って報道しているようだ。


二五万平方キロに残る文明の痕跡

なぜ、これほどの関心を呼びつつあるのか。それが、アマゾンの大地に発生した文明であるからだ。アマゾン川は驚くべき川である。この大河を「超現実的」な川と呼んだ人もいた。スケールが非現実的だからだ。実際、アマゾンのデータを見ると唖然とするほかはない。

一般的な統計によると、アマゾン川の長さは六二八〇キロメートルである。これはわずかにナイル川に及ばない。だが、それ以外ではアマゾン川は文句なく世界最大の巨河である。とりわけ圧倒的なのはアマゾン川の水量である。全世界の淡水の五分の一がここに存在するといわれる。海に注がれる水の量は、何とナイル川の六〇倍にも達する。そうした多量の水を集める無数の支流が存在し、そのうち一七本は一六〇〇キロ以上の長さを有する。

アマゾン川の巨大さは、そのゆったりした流れによく表されている。河口から本流を三七〇〇キロさかのぼったところに、イキトスという都市がある。すでにペルー領だが、そこでも高度は海抜一〇〇メートルあまりしかない。またこのあたりでも川幅は五〜一〇キロもある。

アマゾン川は七五〇万平方キロに及ぶ流域面積を持つ。これは日本の面積のおよそ二〇倍である。そこには、アマゾンの最大の特徴である未曾有の熱帯雨林が存在する。そしてそれは空前絶後の大自然、生態系を作り出している。そこには数知れない動植物の種が存在するが、その大半は固有種である。またその多くは未知のものである。

アマゾンはすべてにおいて桁外れの川である。そのアマゾンにおいて、過去に大規模な文明が存在した。この古代モホス文明のスケールも、途方もないものだ。モホス大平原はアマゾンの巨大支流、マデイラ川の上流にあたるが、広さにして少なくとも二五万平方キロ、あるいはそれ以上ある。一辺が五〇〇キロにも及ぶ、その全域に文明の痕跡が残っているのである。

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/arawak/book4.htm

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