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建築家 石川洋美

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詳細 2011年7月2日 13:52更新

石川洋美先生は僕たちの大学時代の恩師であり、建築家への道を開いてくださいました。芝浦工業大学工学部建築学科に長い間教育者として奉職され、理事長としても芝浦工業大学の運営に努められてきました。
先生は今学校を退職され設計事務所を中心として観光開発等にもご活躍中です。
僕たち金曜会発足の同窓生が中心となり

ここに師石川洋美を語るコミュニティを開催します。
自由な意見をお寄せください。

足跡帳を作りました。足跡を残していってください!
自由なご意見お待ちしております。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=16869882&comm_id=1842389


誹謗、中傷を禁止します。公開している内容に不適当なものがあれば直ちに削除します。

主な作品

千葉県立房総風土記の丘■建物データ
設計者:石川洋美建築計画研究室
所在地:千葉県印旛郡栄町龍角寺
主用途:
竣工:1975年

白浜海岸美術館■建物データ
設計者:石川洋美建築設計研究室
所在地:千葉県安房郡白浜町白浜628-1
主用途:美術館
竣工:1973年


千葉県こどもの国
石川洋美建築計画研究室
鈴木恂建築設計事務所 
加藤実建築設計事務所

美鈴湖スケートセンター
石川洋美建築計画研究室

著書多数

RECRUIT

高等教育機関の経営者が語る日本の教育の未来予想
からの抜粋 石川先生が語る

知恵を磨く教育環境の創造に向けて
〜「人間主義の工学」を具現化する
ための新キャンパス〜
知恵を磨ける教育こそが
大学に求められている


 少子化が進むと、入学がむずかしい大学とそれ以外の大学とに二分化されるといわれています。その分け方でいえば、わが芝浦工大は入学がむずかしい大学、いわゆる偏差値の高いほうの大学に入っていますが、私自身はそういう分け方で大学の優劣をつけていいのだろうかと考えています。
 日本の大学は明治以来、知識をたくさんもっているほど優秀だという大前提に立って学生を選抜し、教育し、卒業させてきました。しかし今の日本に求められているのは知識の量じゃない。知識をどう使いこなすかという知恵、いわば頭の働かせ方が問われるようになっている。コンピュータも昨今ではハードよりソフトが重視されるようになっている。それとおなじ転換が、社会のあらゆる局面で進んできている。この変化に対応して、幼稚園から高校までの教育はすでに大きく変わりはじめています。いわゆる<ゆとり教育>の導入がそれです。幼稚園でも<一斉保育>に代わって、<自由保育>が採り入れられるようになっている。にもかかわらず、大学だけは、いまだに知識の量で学生の優劣を判定している。ここに、今日の日本の教育の悲劇があるんじゃないでしょうか。
 ゆとり教育により、いい大学いわゆる難関校への進学率が落ちると高校の先生方は頭を抱えておられる。そりゃあそうでしょう。大学と高校までとでは学力をはかる物差しが違うのですから悩まれるのも当然です。 一方、大学を優秀な成績で卒業した学生が、必ずしも実社会活躍するとは限らないという現象も起きている。
 これは、大学で詰め込んだ知識の全てが、実社会に適応しているわけではないということ。つまり、大学だけが知識偏重型の教育を進めることによって、大学の入り口でも出口でも世の中とのミスマッチが生まれているんですね。
 大学生の学力不足が指摘されるようになり、大学ではますます知識の詰め込みに力を入れるようになっています。しかし問題は、本当にそんなに学力が不足しているのかということ。学力とは基本的に、人として生きる力のことだと思うのです。そういう観点に立ってみれば、生きる力が低下しているかというと決してそんなことはない。みんな、それなりに生きていますからね。
 昔は1%〜2%の子どもしか大学に進まなかった。しかし今は、50%が大学生になる時代です。大学を出たからといって、みんながみんな、最先端の月ロケットをつくる必要はない。国家的プロジェクトのリーダーになることが求められているわけでもない。それ以外にも、生きる場所はいっぱいあるんですね。そのような様々な場所での生き方をサポートしていくこと。生きていくための知恵を授けること。それが今、大学教育に求められている、いちばん大切なことなんじゃないかと思うのです。

知識を得るための器から
お互いの知恵をわかち合えるキャンパスへ
 知識を詰め込むだけなら、極論すれば自宅でも可能。現に生徒の下宿先にまでLANを張り巡らせ、登校しなくて授業を受けられる大学も出てきました。そのために、大学とは何か、キャンパスとは何かが問われはじめているのではないでしょうか。これまでのキャンパスは、知識を効率良く詰め込むための施設と位置づけられ、このコンセプトは100年間変わることがありませんでした。
 しかし、ただ単に知識を詰め込むことだけが大学の教育じゃない。生きるための知恵をつけ、知恵を磨くことが大学の教育だとすれば、キャンパスに求められる役割も違ってくるはずです。
 本学では2006年4月、江東区豊洲に新芝浦キャンパスを完成させます。用地は、石川島播磨重工の工場跡地約3ヘクタール。現在の田町キャンパスの約4倍の広さです。ここにどんなキャンパスを創るか、今はまだ基本構想を練っている段階で、今は産みの苦しみを味わっています。ただし、はっきりいえることは、これからのキャンパスで大切なのは、ハコとしての建物じゃなく、広場としての機能だということです。
 数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を取った広中平祐先生に、世間話のついでに訊ねたことがあります。先生の理論は、錚々たる研究者と最新鋭の設備を揃えたアメリカの研究機関が苗床になって生まれたものなんでしょうねと。すると、研究の広がりは、友だちとの木陰のディスカッションの中から生まれたものなのだと言うのです。私のいう広場とは、そういう知の広場です。誰かがさっきの講義は分からなかったなあと呟くと、それがきっかけになって自然にディスカッションが始まる。キャンパスとは本来、そういう知の広場であるべきだと思うんです。教室や研究室を軽視するわけじゃないんですが、そういうハコモノは、今の技術をもってすればどうにだってできる。そう心配する必要はない。
 では、いかにして、どんな知の広場を創るか。基本的には木陰があり、安いコーヒーが飲め、昼寝ができるスペースがあればいいと思うんですが、それだけでは知の広場にならない。そこが難しいところなのですね。
 しかし、なんとしても芝浦工大ならではの知の広場を創くりたい、創りださなければならないと考えています。仕上げは見てのお楽しみ、といったところですがね。

今、日本に求められているのは
高度技術を正確にマネージメントできる人材
 芝浦工大は、「人間主義の工学」というスローガンを掲げて、人間味が感じられるような技術や技術者の育成に努めてきました。正確無比な技術を否定するわけではないですが、われわれが目指してきたのは、もっと暖かい、人間の心をつかむことができるような技術です。そして今まさに、そういう技術が見直されるようにもなっている。医療の技術でもそうでしょ。ガンだったらなんでも切ってしまうというのじゃなく、個々の患者の生き方や考え方までを考えた治療が求められるようになっています。
 そういう流れを受けて、この4月、本学では日本で初めてMOT(Management of Technology)教育を行う専門職大学院「工学マネジメント研究科」をスタートさせました。この大学院では、技術を新しい事業や産業の創生に結びつけられるような人材、つまりテクノロジーをマネジメントできるような人材を養成していきたいと考えています。

芝浦工大は、その名の通り工業大学です。工学の使い手としては、評価はいただいているんじゃないかと思います。しかし、技術力を世の中のためにどう活かすかということについては、人任せにしてきたというところがある。これは、芝浦工大に限ってではなく、日本の工学の全てがそうなのではないでしょうか?ウチの江崎学長の研究もそう。近年ノーベル賞を受賞された田中耕一さんの研究もそうです。「こんなことができますよ」ということを示しただけで、それを評価し、社会に役立てるようにしたのは、アメリカやドイツの学者です。
 ここに、日本の産業の致命的な欠陥があると思うんです。どんな立派な研究でも技術でも、世の中のために役立てられなければ意味がない。その役立て方を日本の技術者は、技術に対して決して明るいとはいえない、文科系のマネージャーに判断を一任してきた。結果、うまく役立てられなくて、お蔵入りの研究や技術がいっぱいあるのです。こういう弊害を正すためには、技術者が技術をマネジメントできる能力を身につけるべきだということで、MOT教育を始めたのです。まずは専門職大学院としてスタートさせましたが、こういう考え方は今後は学部のほうにも広げていきたいと考えています。
 自分の専門分野をしっかり掘りさげると同時に、それが社会全体の中のどんな位置にある技術なのかということをちゃんと認識でき、かつマネジメントできる能力を身につけるということです。
 そして、そういう人材をつくりだすのが、まさに知の広場。ノーベル賞学者も、学生も、職業人も分けへだてなく、おなじ広場に三々五々集まってディスカッションする。そういう中から、人の心をうつ技術や技術者が生まれてくる。工学マネジメント研究科の開設は、そういう知の広場をつくりだすための一つの布石だと位置づけています。
(取材:2003.4月)

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2007年2月9日

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