未だに人気衰えないカリスマ・シンガー、ジェシー・リーチ在籍時最後のアルバムにして、その後のメタル・シーンの行く末を左右した名作中の名作『ALIVE OR JUST BREATHING』。英Kerrang!誌において最高5Kの評価を獲得。米CMJラウド・ロック・チャートにおいては4週連続1位を獲得。
ニュー・ジェネレイション・メタル・シーンの王者KILLSWITCH ENGAGE。AFTeRSHOCKとOVERCASTという伝説的ハードコア・バンドのメンバーたちによって結成されたこのスーパー・バンドは、フェレット・ミュージックより1stアルバム『KILLSWITCH ENGAGE』をリリースしたのち、その人気と実力を買われてロードランナー・レコーズへ移籍。
そして、その移籍第一弾として発表されたのが、この『ALIVE OR JUST BREATHING』である。現在はギタリストとしてジョエル・ストローゼルと黄金のツイン・ギターを組んでいるアダム・デュトキエヴィッチは、『ALIVE OR JUST BREATHING』のレコーディングまではドラムを叩いていた。このアルバムがリリースされるときには、ドラマーの座をこれまた元AFTeRSHOCKのトム・ゴメス(ds)に明け渡し、自らはギタリストへ転向している。
この『ALIVE OR JUST BREATHING』は、発表当時の2002年には「奇跡の1枚」としてシーンを色めき立たせた。というのも、ハードコアとヘヴィ・メタルという似て非なるジャンルの音楽の融合に成功したのだ。その2ジャンルの配分比率は絶妙で、キッズは勿論、同業者である多くのメタル・バンドたちも、「そういう手法があったか! やられた!」と膝を打ちつつ悔しがったという。
ファンを巻き込んでの一体感やアグレッション、そして曲中のブレイク・ダウンはまさしくハードコアであったが、リフやメロディ、劇的な展開はヘヴィ・メタル。しかもスウェーデンはイエテボリ系のメロディック・デス・メタルのそれであった。この全てのエレメントが混ざり合うことによって、不朽のマスターピースが誕生したのだ。
楽曲は完璧。オープニングを飾る“Numbered Days”から、早くもハードコアとメタルの融合は全開バリバリ。続く“Self Revolution”、“Fixation On The Darkness”も抜群の切れ味を見せる。そして、名曲“My Last Serenade”に流れていく。その後も“Temple From Within”や“Vide Infra”といった佳曲が並び、アルバムを通して全くテンションの降下を感じない。非の打ち所のないほど見事なまでの完成度である。激しくもどこか物悲しいメロディ・ライン、鋭く切り込むツイン・ギター・リフ、そして、ハーモニー。残虐なシャウトと熱いノーマル・ヴォイスを駆使するシンガー。そのどれもが素晴らしい。1曲1曲が際立ち、それらをググッと詰め込んだのがこのアルバム。カッコよくなければ嘘だ。
また、この作品を最後にジェシーとトムが脱退する。ことジェシーに関しては、非常にカリスマ性のある人物であった。シンガーとしても詩人としても周囲から一目置かれていた。そんな彼がKILLSWITCH ENGAGEに残した置き土産は、極限にまで達した鬼気迫るヴォーカル・ワークの数々。心を掻き毟るかのように自らの情念を歌詞にさらけ出し、それを歌声に変える。実に人間味溢れるフロントマンである。
「KILLSWITCH ENGAGEのシンガーと言えば?」と聞かれて、「ジェシー・リーチ」と即答するキッズは未だにゴマンといる。現シンガーのハワード・ジョーンズとは別種の危険なオーラに満ちていたジェシーが魂を込めた『ALIVE OR JUST BREATHING』。
これからのメタル・シーンについて行くつもりならば、決して避けては通れない作品である。
KsEの最強アルバムと言えば、『ALIVE OR JUST BREATHING』だ!という方、このアルバムに衝撃を受けてしまった方、このアルバムが好きな方、など是非参加してください!
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