Abracadabra / Abrahadabra
# 私が言うとおりになる
アブラカタブラの語源はavra kedabra / avra K'Davarahであるという主張がある。これは「I will create as I speak」を意味する。
# 呪いと疫病
アブラカタブラの語源を、ヘブライ語の祝福(「呪い」の婉曲表現として用いられる)を意味する単語 ha-brachah と、疫病を意味する単語 dever のアラム語形である dabra とする見解もある。この説を支持する学者は、カバラにおける盲目の治療法(シャブリリ Shabriri という目の病魔を呪文を唱えることで退治する)との関連を指摘する。一方、この起源について懐疑的な学者は、悪霊の力を減少させるという考え方は古代の世界では共通したものであり、アブラカダブラもそのような悪霊の名の一つに過ぎないと主張している
# この言葉のようにいなくなれ
アブラカダブラの語源は「disappear like this word」を意味するabhadda kedhabhraであると主張する人もいる。このアラム語は、呪いの言葉としてよりも病気の治療のために用いられていたと考えられている。
# アブラクサス
アブラカダブラの語源はアブラクサス (Abraxas) に由来すると主張する人もある。アブラクサスはグノーシス主義における高次霊アイオーンの名前で、偉大なアイオーンとされる。アブラクサスを表現するギリシア語の文字「α β ρ α ξ α ?」を、文字が数字を表現する古代ギリシア語の「文字数字」で数字として合計を勘定してみると、365になる。この数字は、アブラクサスが流出によって創造したとされる365体のアルコーンの数に一致する。また、シリア人の神であったと言われているアブラカラン(Abracalan / Aracalan)由来であるという説もある。
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宗教団体のテレマ (Thelema) では、「アブラハダブラ (Abrahadabra)」という言葉を綴ってこの世界の神秘的な公式であるとみなしている。この宗教団体の創立者アレイスター・クロウリーは自著「ゲマトリア (Gematria)」の中で、この言葉はカバラ的手法で発見し(スペルを綴った)と説明している。彼曰く、この言葉を発見したのは1901年1月に彼の師の一人であるオスカー・エッケンシュタインに会う前であったらしい(エッケンシュタインはこのミーティングで当座の魔法の使用と瞑想をやめるよう彼に命令した)。この言葉が1904年にホルスの呪文として繰り返し現れたことから、クロウリーは Thelema の設立に至った。また、1901年の日誌では、クローリーが「The Equinox」内で発表したと記されている (Equinox I, No.7. 1912)。
ヒンズー教徒、クリスチャン、および無宗教者ごとに各々の問題を記した「ゲマトリア」を製作し、これを配布した件について、クローリーはこの魔法の言葉(アブラハダブラ)が答えであることを示唆している。さらに彼は、種々の言い回しに対応するカバラと、簡潔で象徴的な答えをこの本の読者に与えた。なお、無宗派版の本を読むと、「I am the finite square; I wish to be one with the infinite circle.」 Its equivalent refers to 「the Cross of Extension」 and 「the infinite Rose.」とある。アブラハダブラに関するクローリーの数秘学的な説明は、主にこの最終公式とその答えに焦点を合わせている。