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1966年の姫路博覧会にあわせて
建設された姫路モノレール。
時の石見元秀市長の計画では、
瀬戸内海〜鳥取までを結んでしまおうという
大胆不敵な計画だったらしい。
実際には姫路博の会場である手柄山と
姫路駅を結ぶ路線として営業を開始。
会期中は乗車するのに待ち時間がでるほどの
賑わいぶりだったようだが博覧会終了後
まもなく業績不振に陥り、わずか8年で運行休止。
そのまま廃止されるに至った。
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今ではかすかにその遺構を残すのみであるが
天空に向かって突き抜けるような堂々とした
たたずまいは一見の価値あり。
現在ではコンクリート片の落下や景観の問題など、
負の遺産的なとらえ方が強いらしいが
(地元の方や関係者にとっては
デリケートな問題ではあるだろうが…)
それよりも発想の豊かさに驚かされる。
大将軍駅のあった高尾アパート。
商店の屋根や、川沿いのわずかな
スペースに建てられた橋脚。
合理的かつ効率的なことをやろうとしていて…
結果的には失敗した。でもそこには確実に
夢があったにちがいない。
おそらく今ほど情報もなく右も左もわからない
40年も前の地方都市で知恵と工夫をこらし
走り出した姫路モノレール。
効率や便利さだけを追求し、情緒もクソもない
現代に足蹴り一発食らわしてくれ。
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そんなわけで、この未来的先進的愉快な発想を
なくしたらあかんと思うのでなんとかぼくらが
遊び道具として、現代アートとして使うことで
もういちど注目を浴びさせることができれば
おもしろいんじゃないかというわけです。
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