古代の最初の人間は、頭が二つに手足が四本づつあって、
今の人間二人が背中合わせにくっついたような形で、
丸いからだをしていたそうだ。
この男と女が一体となっていた人間のことを、
アンドロギュノスという。
最初の人間たちは、神も恐れぬ不遜な態度だったので、
大神ゼウスによってそのからだを二つに裂かれた。
それ以来、人間たちは、かつての分身を求め合って恋をするのだという。
人生とは半身を捜す果てしない困難な旅。
めぐり合える事はあるのだろうか。
この心の渇きを満たすのは半身のみ。