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「自由クラス理論」非標準集合論コミュの個体

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 以前にマイミクの小林さんと「FC」について議論しました。
 このテーマは言い換えると「集合について」だったわけです。
 この概念と対になるテーマ「個体について」の解説・議論を始めたいと思います。

 小林さんと少し議論を始めていたので、編集してここに掲載します。

 なお、変なタイトルがありますが、書き込みの他の部分に関係したものです。



【タイトル】個
【 名前 】河本
【 日付 】2005/04/19 12:27
【 No  】151

 個体? :
 「集合」や「個体」は、ひとが用いる概念たちのなかでは最も基本なものに属しています。

 集合論の言葉を使ってすべての数学理論が表現可能であり、数学の言葉を使ってすべての自然科学の理論が表現可能ですから、「集合」の理論があれば十分で、「個体」についての理論はなくても構わない、と言うこともできそうですが、しかしスーガク者としては、確かに存在する「個体」とうものを理解したいし、よい理論が欲しい。

 しかし「個体」の理論を作るのは容易ではない。
 「個体」の定義は異なる個体を識別するものでなければなりません。

 「集合」のほうは「要素」が同じなら同じ、違えば違うということですから分かりやすいですが、「個体」には「要素」がありませんから、違いを言うためにはその「性質」を記述しなければならない。

 例えば、苺5個を要素とする集合の表現は、{苺1、苺2、‥‥、苺5}となるが、1個の苺という個体を表現するには、{果物、赤い、美味しい、ミルクが合う}などを記述しなければならない。
 あるいは植物学の言葉を使い、苺の実の構造を表現しても良いかもしれない。

 みなさんの考える「個体とはなにか?」を書き込んでくれませんか。
 今の数学には、よい「個体の理論」がないのですから、数学者も非数学者も同じスタート地点に立っていると言うことができます。

 「個体」についてでなくても、個体の一例である「個人」のアイデンティティーについての書き込みもOKです。

【タイトル】火星ミミズ
【 名前 】河本
【 日付 】2005/04/26 14:33
【 No  】153

 「個体」つづき : 
 スーガク者の「個体」に対する定義は後で書きますが、現代社会が「個人」をどう扱うかについてですが。 

 TVタレントなら、{芸名、年齢、出演番組名、ゴシップ}、グラビアアイドルなら{3サイズ+C,D,Eなど、顔写真}、仕事相手なら{会社名、役職名、商談内容}、
その他、いろいろな場面で人は「個人情報」というデータの集合で表され、ようするに、あらゆる場面でひとは「要素の集合」として扱われているようです。

 人間を「要素」に分けてその「集合」として扱うな、一まとまりの「人格」として対応してほしい。
 スーガク者の個体についての考え方は、こういう意見に沿ったものになります。 

【タイトル】個体論
【 名前 】小林泰三
【 日付 】2005/05/07 23:27
【 No  】154

まだ、ちょっとつかみ所がわかりません。

我々が個体を認識するのは、五感によるところが大きいと思うのですが、これ
は実は非常にあやふやで、双子を取り違えたりは日常茶飯事です。

では、双子のレベルではなく、その物体を構成する原子の位置までぴったり同
じである2つの物体があった場合、これを同一個体と看做すべきかどうかはっ
きりしません。

常識的には違う個体と看做すべきでしょうが、そうすると物理的 (量子力学や
統計物理) 的に厄介なことになりそうな気がします。
#厳密に捉えたのではなく、直感的な話ですが。

【タイトル】個体論のつづき
【 名前 】河本
【 日付 】2005/05/09 14:14
【 No  】157

 小林さん
 >個体の認識
 たしかにミクロのレベルで「個々の粒子」という場合の「個」は、日常世界の「個体」とは違いますね。
 たとえば、電子Aと電子Bを入れ替えても、量子論のいう「状態」は同じものですね。
 各電子たちの「個性」は全くなく、一個の電子が「数多い粒子の状態」にあると言ってもよいかもしれません。
 話がややこしくなるので、「日常感覚の世界」における 「個体」に限ることにします。
 そうしてもなお事態はややこしいのですが。 (^^;)  

 ひとはこの世界のさまざまなものたちの違いをどう区別しているのでしょうか?

 >個体の識別
 今見ているKさんと、昨日のKさんは同じ「個体」?
 もちろん普通は同一人物と考えますよね。>そうでないと人間関係成り立たない。「昨日は恋人同士だったけど、時間が経ったからもう二人とも別個体、ゆえに恋人じゃないよ」なんてことないよね。あるの?

 違う個体と考えるのも可能なような気がする。
 そうすると、前者の「同じ個体」と考える立場と、後者の「違う個体」と考える立場では、いったい何が異なるのだろう?

 人間がものを認識する誤差の範囲内で、一日経過した人間の構成要素はほぼ同じと言ってもよいと思うのですが、そうであってもなお「両者が違う」というのもあり得ると思います。

 その場合「何」が「違う」と識別されているのか?
 この辺の事情を巧く表現できれば、それが「個体」のよい定義になっているだろうというのがスーガク者の意見です。

【タイトル】形式
【 名前 】河本
【 日付 】
【 No  】
 個体の記述の仕方を見ると、
    {{果物、赤い、美味しい、ミルクが合う}
 これは集合やクラスの記述と同じですね。
 要素が「もの」ではないところが怪しいですが、少なくとも形式は集合の表現と全く同じです。
 ということは、「個体」をクラスで表現できる可能性がある。

 FCの解説で、「ものの集まり」と思われていた「集合」が、実は「ものの集まり」ではない「個体」であった、と言いましたが、今度は、「個体」が「ものの集まり」である、すなわち「要素を持つ」と言おうとしているのです。>普通の考えに逆らっているわけではない。論理による思考の必然です
 集合が個体であって、個体が「ものの集まり」だとすれば、集合が「ものの集まり」だという普通の集合論が合っているのではないか、なんて言ってはいけません。
 後者の「個体」は無定義な基本概念に対する相対的「個体」と言うべきものです。

【タイトル】Re: 形式
【 名前 】小林泰三
【 日付 】2005/05/16 22:10
【 No  】165

>河本さん
>  個体には要素がある : 
>  個体の記述の仕方を見ると、
>     {果物、赤い、美味しい、ミルクが合う}
>  これは集合やクラスの記述と同じですね。
>  要素が「もの」ではないところが怪しいですが、少なくとも形式は集合の表現と全く同じです。
>  ということは、「個体」をクラスで表現する可能性がある。

たとえば、最初は {身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身} ぐらいでよ
かったのに、2年経つと {身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身、胸にカ
ラータイマー} もしくは、{身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身、とさ
かは飛ばない} としなければいけなくなったりしますね。
他に似通った個体がある場合は要素が増えるわけでしょうか?

【タイトル】類似
【 名前 】河本
【 日付 】2005/05/20 13:19
【 No  】166

 小林さん
 >他に似通った個体がある場合は要素が増えるわけでしょうか?

 ぼくは当の昔に「個体」の定義に対する答えは得ているので、そちらへ向かって話を進めていこうと思っているのですが、これは本質に関わる鋭いご意見です。>無理に議論を持って行く必要がない (^^;) 
 
 たしかに「集合」の場合は同じか違うかのどちらかですが、「個体」については「類似の」個体を区別するという問題がありますね。
 なにしろ「定義」がまだ無いので、何が同じか違うかが明確に決められない。
 「類似」という言葉があいまいならば、同じと思われる個体もその細かな部分を区別することによって、違う個体として扱えるようになるという問題です。 
 しかし、個体の「細部」は表現しようと思えば際限なく詳しく続けることが可能で、収拾が付かなくなる感じもします。
    
 数学の「概念」は、自然科学の表現のための言葉・道具と以前言われていましたが、「人間の創造物」といっても好きなように定義するわけにはいかず、確かに存在する個体をいかに巧く表現しているかを検討しつつ議論しなければならないわけです。

 たとえば素粒子の理論を創造するのと同じことなのですが、これは「個体」という概念に対応する「実在」がこの世界に存在するからであって、「七次元球体」のように対応する実在が無い場合は、好きなように定義してよい‥‥全くの「人工物」だから‥‥と思われますか?

 基礎論の一部の数学者を除いて、数学者のほとんど全てが、「数学の概念」は世界に対応する実在のあるなしに関係なく「物的実在」と同じぐらいリアリティーがある「実在」であると感じているのです。>人間や他の知性体が存在しなくても「在る」    
 
 それにしても「個体」ってものすごく「基礎」な概念ですね。 >基礎過ぎてどう定義してよいか分らないぐらい 
 「もの」という言葉を定義するのと同じ程度に難解だ。 >「もの」って何? たしかに、あらゆるものが「もの」だし‥‥    
    
 むかし、「1」の定義について議論しましたね。>アレクすてさんも来ていた 
      
 「電子」と「1」と「ケンタウロス」の違いについて回答に到達していなかったような気がします。

【タイトル】個体
【 名前 】河本
【 日付 】2005/09/02 17:31
【 No  】204

 小林さん
 「個体」の解説、再開します。
 ご意見あるいは分からない点があれば、書き込んでください。

 いままでのまとめ。

 o 集合の識別はその要素によって行えるが、個体の場合は要素を持たないので、その「性質」を記述することにより区別する。
    例 : いちご={果物、赤い、美味しい、ミルクが合う}

 o 集合の場合は同じか・違うかのどちらかであるが、個体の場合は同じ性質で記述されながら異なるもの、すなわち「似ている」個体が存在する。
    例 : ウルトラマン={身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身}
        ウルトラマン’={身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身}     

 o 似ている個体の識別は、性質の追加によって行う。
    例 : ウルトラマン’={身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身、とさかは飛ばない}  

 o 集合の記述と個体の記述は、形式の上からは全く同じである。ただ、その要素はは前者が「もの」、後者が「概念」である。 >あれ、ものも概念ではないのか?
    例 : 偶数={2,4,6,8・・・・}、いちご={果物、赤い、美味しい、ミルクが合う}                        
 
 この形式から見ると同じという事実を利用して、個体を定義します。 >次回 

【タイトル】まだ個体 
【 名前 】河本
【 日付 】2005/10/20 12:04
【 No  】242

 小林さん
 「個体について」よく分かりませんか?
 ぼくとしては、議論の相手がいると考えがまとめやすいのですが。
 いつか編集して、HPに掲載する予定です。

 >無限・個体
 
 例えば小林泰三という個体=個人を識別するためには、{ホラーSF恋愛作家、科学者、山口君に似ている、性格が邪悪}などと、他の個体と区別可能な程度に、その性質を並べればよいのでしょうか。
 これはたぶんその通りなのであって、十分多くの性質を記述すれば、実際それらと同じ性質を持ちながら異なる個体というものは存在しなくなるだろう。
 しかし現実にはそうであっても「理論の上」では、ある記述と同じ要素を持ちながらなお違っている「似ている個体」というものは、いくらでも定義しうる。
 従っておそらく小林泰三という個体を正確に識別可能な記述とは、小林泰三の内宇宙を余すところ無く表現したもの、ということになるのだろう。
 これは至難の業である。
 人間の内宇宙の広さ・深さは外宇宙のそれに劣らないはずであり、未だこの宇宙の構造を正確に記述する数式はまだ知られていないのであるから。
 すなわち、人の目に映るほとんど全てのものをそう呼んで構わないほどありふれた存在である「個体」たちの内の一つ、小林泰三という個体も、その内部に宇宙と同じぐらいの「無限」を抱えた存在なのであった。
 これに比べたら、{R}の持つ「無限」などは、全く理解しやすい部類の方なのだ。
 
 故に、
 >{R}という無限を内に秘めている存在‥‥{R}の要素の要素はどんな無限よりも多い‥‥と、ありふれた個体が同じだなんてあり得るのだろうか?

 >「ありうる」とスーガク者は思う。
 
 というわけなのです。
    

コメント(6)

 個体の本質 :

 個体についてのまとめをもう一度引用すると、

 >o 集合の識別はその要素によって行えるが、個体の場合は要素を持たないので、その「性質」を記述することにより区別する。
    例 : いちご={果物、赤い、美味しい、ミルクが合う}

 >o 集合の場合は同じか・違うかのどちらかであるが、個体の場合は同じ性質で記述されながら異なるもの、すなわち「似ている」個体が存在する。
    例 : ウルトラマン={身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身}
        ウルトラマン’={身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身}     

 >o 似ている個体の識別は、性質の追加によって行う。
    例 : ウルトラマン’={身長40m、宇宙から来た、正義の味方、変身、とさかは飛ばない}  

 >o 集合の記述と個体の記述は、形式の上からは全く同じである。ただ、その要素はは前者が「もの」、後者が「概念」である。 >あれ、ものも概念ではないのか?
    例 : 偶数={2,4,6,8・・・・}、いちご={果物、赤い、美味しい、ミルクが合う}

 ここに個体の本質が全て現れています。
 形式化も容易です。

 個体を形式で表すとこうなります。

   k={x,y,z,u}

 集合と全く同じです。
 
 ただし、個体には要素が同じで異なるものがある。
 すなわち、「似ている」個体の存在です。

   k ={x,y,z,u}
   k’={x,y,z,u}    −1−
    
 それらは要素の追加によって区別可能である。

   k ={x,y,z,u}
   k’={x,y,z,u,v}  −2− 

 ここで「k’の追加された要素vは元々k’の要素であって、『区別』のために形式に現れて来た」のではないか?という疑問が考えられます。   
 この疑問は確かにその通りであって、1式も2式もともに、

   k’={x,y,z,u,v}   
    
 と書かれるべきで、ただ両者の違いは要素vが1式の場合は「議論の対象」になっていなくて、2式の場合は「議論の対象」なっている、ということなのです。
 
   k’={x,y,z,u,v}  −1−
       ただし、¬Obj v
 
   k’={x,y,z,u,v}  −2− 
       ただし、Obj v 

 1式、2式が成立する理論を、それぞれS1,S2とすると、S1とS2は「Obj=対象」が異なるのですから、違う理論だと言うべきでしょう。

 ここで1式をよく観察すると、x,y,z,uは元々「Obj」ですから、5個の要素の内、「¬Obj」なものが1個混ざっているわけです。
 ようするに、「Obj」でないものが要素に存在することが、体系S1の「個体」の定義だということです。
    
 体系S2では、k’の要素は全て「Obj」ですから、この理論内ではk’は集合になっています。
    
 次回は形式化について。
    
 「個体」の理論を定式化します。

 まず、ZFの公理のようなもののない一般のクラスの理論=GCを用意します。
    ※GCはGeneral Class の頭文字

 GCに述語「Obj=要素となりうるもの」を導入すると、ZFのクラス、Set、プロパークラス、個体などが定義可能になります。


 D.Class

 Cl x  Df. ∀b b∈x ⇒ Obj b
     ※Cl〜Class

 日本語で言うと、Clとはその要素が全てObjなもの。


 D.Set

 Set x  Df. Obj x ∧ Cl x

 Setとは要素となるCl。


 D.Prcl

 Prcl x  Df. ¬Obj x ∧ Cl x 
     ※Prcl〜Proper Class

 Prclとは要素とならないCl。


 D.Ind

 Ind x  Df. Obj x ∧ ¬Cl x
    ※Ind〜Individual=個体

 Indとは要素となるがClではないもの。
 Clの否定は、
    ¬(∀b b∈x ⇒ Obj b)
 書き換えると、
      ∃b b∈x ∧ ¬Obj b
 これは「Objでないものが要素に存在する」ことですから、前回の書き込みの決論と合っています。
    
 GCの変数は皆クラスを表しています。
 一方、Classのほうは「ZFのクラス」を表します。
 両者を区別するために、後のほうは英語で記述します。
 ZFのその他の概念もそれに習います。

 Cl、Set、Prcl、IndなどはObjに依存した相対的な概念です。
 Objの満たすべき公理を決めればこれらの概念も決定されます。

 そのためには、ZFの公理のうちSetに関係したものを、「Set 〜」を「Obj 〜 ∧ Cl 〜」と換えて書き記せばよいわけです。
    
 実はこの「Objの決定」こそが、「GC+Obj」という体系の上への「ZFの表現」になっているのです。

 次回は「表現」について。
    
 ZFのSetに関係する公理は次のとおりです。

    A.φ    Set φ
    A.ω    Set ω
    A.Pair    Set x ∧ Set y ⇒ Set{x、y}
    A.∪    Set b ⇒ Set ∪b
    A.P_b   Set b ⇒ Set P_b
    A.⊆    Set c ∧ b⊆c ⇒ Set b 
    A.f    Set b ⇒ Set f“b

    ただし、φは空クラス、ω={0,1,2,3、・・・・}、∪bはbの要素となっているクラス全ての和クラス、P_bはbの部分クラス全てを要素とするクラス=bのべきクラス、f“bは写像fによるbの像、のこと。
    
 これらの公理の「Set 〜」の部分を「Obj 〜 ∧ Cl 〜」と書き換えればよいわけです。
 ZFには、「基礎の公理」というClに関わるものがありますが、これもObjを定める公理に使うことができます。
 
 このようにしてGC+Objの上にZFが表現されるわけですが、GCは「表現の土台」となりうる無矛盾な体系なのかという批判をかわすために、少なくとも「矛盾を起こすクラスは存在しない」という公理などが必要です。    
 ほんとうはZFの公理を用いる、すなわち、ZFの上にZFを表現するのが一番よいのですが、見かけがややこしい理論になります。

 普通のクラスの理論を用いて「表現」について解説しましたが、当然これは「表現の理論」の「雛形」というべきもので、FCの上への表現を使えばもっと正確な議論が可能になります。
    
 応用 : 

 ラッセルのクラスRや全クラスUをただ一個要素とするクラス{R}、{U}とは何なのか?を考察することにします。

 まずR、UはObjではないことが容易に分かります。
    ∀b b∈R ⇔ ¬ b∈b ∧ Set b
    b=Rとすると、
       R∈R ⇔ ¬ R∈R ∧ Set R
    ゆえに
    ¬ R∈R 、 ¬ Set R
    ゆえに
    ¬(Cl R ∧ Obj R)
    Rの要素はすべてObjだから、Cl R、従って
    ¬ Obj R 
    一方
    R⊆U と A.⊆ から、 
    ¬ Set U
    ¬ Obj U
    すなわち{R}、{U}はObjではないクラスを要素にしているので、
    ¬ Cl {R} 、 ¬ Cl {U}     −1−
   
 ここでクラスの要素の数に関係する公理を次のように定めます。
    A.#    #b≦#ω ⇒ Obj b 
    「クラスbの要素の数が可算濃度以下ならばbはObjである」という公理です。

 クラスRやUがObjでないのは、それらが「大きい」からです。
 すなわち「小さい」クラスならObjとしてもよいのでしょう。
 クラスがA.#を満たせば十分に「小さい」と言うことが可能です。

 たしかに{R}も{U}も要素の数は1ですから、A.#より、
    Obj {R} 、 Obj {U}     −2−
    1式、2式、D.Ind、より、
    Ind {R} 、 Ind{U}

 意外なことに、{R}、{U}はInd=「ZFの個体」であることが示されたわけです。

 日常普通に見られる個体は「宇宙」を内包していることを前に書き込みましたが、クラスUはクラス理論の「全宇宙」なのですから、再び個体は「宇宙」=無限を内に秘めていることが理解できます。

 「個体」と「クラス」のニュアンスの違いはこうなります。
 正確な記述ではありません。

 個体
 o 自然物
 o 隠された構造をもっている
 o 無限を秘めている
 o 似ている個体を区別するには無限に手間がかかる

 クラス
 o 人工物
 o 要素は透明   
 o 有限も無限も両方存在する
 o 同じか異なるかのどちらか
    
>1の内容を次で理解しました。

個体A,Bに対して、A,Bが似ているというのは
1.AのObjな対象aはBのObjな対象である。
2.BのObjな対象bはAのObjな対象である。
ときであり、かつこれに限る。

これを論理式で表現すれば
Ind A ∧Ind B∧(∀a Obj a ∧ a∈A ⇒ a ∈ B )∧(∀b Obj b ∧ b∈ B⇒ b ∈ A ))

ただ、これだとInd を集まりに対して定義しているので何か違うと思います。
Ind は要素かクラスに対して定義されていると思うのです。

これは次のClの定義に関連すると思うので、挙げておきます。

 Cl x  Df. ∀b b∈x ⇒ Obj b
     ※Cl〜Class

これを僕は

 Cl x  Df. ∀b (∃X b∈X ∧ X ma x) ⇒ Obj b
     ※Cl〜Class

で捕えているようです。

簡単のために、 "∈_zf" を次で定義しておきます。

Df.∈_zf
a ∈_zf x Df. ∃X a ∈ X ∧ X ma x

このとき Cl を次で定義します。
Df.Cl
Cl x Df. ∀a a ∈_zf x ⇒ Obj a

このとき個体の同値関係≒を次で定めます。
(この同値関係と言う記述はおかしいかもしれません)

Df.≒
x ≒ y Df.
Ind x ∧Ind y∧(∀a Obj a ∧ a∈x ⇒ a ∈_zf y )∧(∀b Obj b ∧ b∈_zf y⇒ b ∈_zf x ))

これなら ma で確認した「要素」「集まり」「クラス」の感覚とも合います。

補足。
もっと簡潔に「クラス」に対する∈を定義してもいいのかなと思いました。
(∈をクラスに使うときと集まりに使うときの両方で定義する)
書き込んでから気が付いたのですが、ここでの議論は FC の上で行っていないのですね。
早とちりしました。すみません。

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