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「自由クラス理論」非標準集合論コミュのクワインのMLの矛盾

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 1.公理 

 FCの上に表現するとMLの矛盾が容易く示されます。

 ただ「ラッセルのクラスの矛盾」を解消するのをみて分かるように、FCの上には相当おかしな体系であっても「矛盾なく」表現することが可能です。
 >「矛盾している」Naiveな集合論も表現できる  

 ここでMLが「矛盾」しているというのは、いくつかの「まともな」公理を仮定するとMLのObjの定め方が矛盾しているということです。
  
 すなわち、「まともな」「普通の」公理と両立しない、あるいはMLの中ではそれら有用な公理が使えない、ということもできます。    

 > まともな公理
 次の三つの公理は、「まとも」で「普通」と思えるでしょう。         

 A.¬Set  ¬Set x ∧ {x} ma y ⇒ ¬Set y

 「¬Set」=「自分を要素とする集まりによって作られる」という性質は、ラッセルのクラスrや全クラスuなど「大きい」クラスの持つ性質です。
 ですから、そのような大きなクラス1個からなる集まり{x}の作るクラスyは当然「大きい」と想像できます。    
 また、この公理の対偶をとると、

 A.¬Set   Set y ∧ {x} ma y ⇒ Set x

 ZF風に略して言うと、「大きくない」クラスyの要素xは「大きくない」ということを示しています。
 これは前に得られた結果「ZFには個体がない」という事実と整合性のある公理です。
 なぜなら、ZFのObjはすべてSetですが、A.¬Setに反してその要素に¬Setなクラスが存在しうるとすると、それは¬Objとなり、ClではないObj=Ind=個体が存在しうることになり矛盾。      
 
 A.Ind  Ind x ∧ {x} ma y ⇒ Set_ob y

 個体x1個を要素とする集まり{x}の作るクラスyはSetであるということを表現しています。
 たしかにたとえば、りんご1個の集まりの作るクラスは「大きくない」。     
 そのようなありふれたクラスが「自分を要素とする集まりによって作られる」というおかしな性質を持つべきではないでしょう。
    
 ただし、個体という概念はObjに対して相対的なものですから、SetもObjに対して相対的なほうのSet_obであるべきです。   

 A.Cl  ∀x∀B Cl x ∧ B ma x ⇒ At B
 
 Clの定義はAtな集まりによって作られることですが、この公理はClは「Atな集まりだけ」によって作られることを表現しています。

 この3個の公理を仮定すると、MLの矛盾が容易に示せます。


 2.クワインのML

 クワインのMLのObjはこのように定義されます。

    Obj y  Df. ∃B B ma y ∧ St B
           *「St」は「Stratify」の略

 クラスyがObjであるとは、ある層別化された集まりBによって作られること。

 さらに次のような公理を仮定します。

    A.Obj  ∀y∀B B ma y ∧ Obj y ⇒ St B

 Objなクラスを作るのは、層別化された集まりだけという公理です。

 「層別化」の定義は次のとうりです。  

    St B  Df. Bの定義式に現れる全ての「∃C x∈C ∧ C ma y」という形の論理式に対して、f(x)+1=f(y)となるように、クラスの変数から整数への関数fが定められること

 >例
 [層別化可能な式]
 (∃C u∈C ∧ C ma z)∧(∃B z∈B ∧ B ma x)∨(∃C z∈C ∧ C ma y)
     変数    階層
     x、y   2
     z     1
     u     0
 とすればよい

 [層別化不可能な式]
(∃C u∈C ∧ C ma z)∧(∃B z∈B ∧ B ma x)∧( ∃C u∈C ∧ C ma x)

 ∃C z∈C ∧ C ma z
 など


 3.矛盾 

 全集まりUの定義は

    ∀x x∈U ⇔ x=x  −1−

 この集まりUが全クラスuを作ります。

    U ma u
    
    1式は層別化されているので

    St U
    
    ゆえに

    Obj u

    UにはObjではないクラスも要素として存在する
    ゆえに

    ¬At U     
    ¬Cl u     [A.Cl]

    ゆえに

    Ind u
    Set_ob u’  [A.Ind]  −2−

    ただし {u}ma u’

    At {u」
    Cl u’
 一方
    ¬Set u
    ¬Set u’   [A.¬Set]  −3−

    2.3.式より  

    ∃B u’∈B ∧ B ma u’ ∧ ¬At B
    ¬Cl u’    [A.Cl] 

    矛盾        
    

コメント(2)

何回か読みましたが分からないので質問させていただきます。

> UにはObjではないクラスも要素として存在する
これは何故でしょうか?

全集まりUを
∀x x∈U ⇔ x=x  −1−
と定義したからだと思いますが、
この結論から、『全集まりUの定義が間違っている』と結論付けられないのは何故でしょう?
 遅いレスすみません。

 矛盾が起きたということは、クラスuが存在しないということですね。
 しかしそれを言うなら¬ClなクラスなどはMLにとって始めから存在しません。
 Indなクラスなどを用いた議論などは、MLには何の関係もないものということも可能です。

 ようするにFCに表現しなければ、MLの矛盾は示せないと言うか、MLからは矛盾がみえません。
      
 ここで示したことは、MLをFCの上に表現してみると、FCの世界ではごく普通ないくつかの公理と「両立しない」ということです。

 ZFはFCに表現しても矛盾はしません。
 Naive Set TheoryもFCに表現すると矛盾は消え去ります。       
 これらに比べてMLはそーとーおかしな理論ということが可能です。     
 もちろん面白さの理由にもなりえますが。  
 もしMLの性質をFCを用いて考察したければ、仮定した3個の公理の内一つは取りさらなければなりません。
    

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