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「自由クラス理論」非標準集合論コミュのクラス論の分類

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 [ クラス理論の分類 ]


 1. 準備

 クラス理論をObjとSetの関係のあり方によって、4つのTypeに分類します。

 まず始めによく使われる公理や集まりについて解説します。

 A.At  ¬At B ⇒ (∀ b b∈B ⇒ ¬Obj b)
    「¬At」とはObjではない要素が存在することですが、この公理はObjと¬Objな要素が混在することはないことを言っています。
    要素の「純粋性」の公理です。    

 A.Cl  Cl k ⇒ (∀B B ma k ⇒ At B)
    「Cl」なクラスはAtな集まりだけから作られる。
    集まりの「純粋性」の公理です。    

 A.{ }  ¬Set y ∧ {y} ma k ⇒ ¬Set k 
    「¬Set」は全クラスuやラッセルのクラスrが持っている性質ですから、「大きい」というニュアンスがあると考えてよいでしょう。
    「大きい」クラス1個を要素とする集まりの作るクラスは「大きい」という公理。    

    R  Df.  ∀b b∈R ⇔ Set b
            自分を要素としないクラス全ての集まり

    U  Df.  ∀b b∈U ⇔ Obj b
            理論の対象となるクラス全ての集まり

    r  Df.  R ma r
            Rの作るクラス

    u  Df.  U ma u
            Uの作るクラス

 普通は集まりを表す定数には、「R_0」、「U_1」など添え字のついた文字を使いますが、間違うおそれのない場合は添え字なしの「R」、「U」などを使います。

    Set b  Df.  ¬(∃B b∈B ∧ B ma b)
    「自分を要素としない」というのは大抵のクラスの持つ性質ですから、「Set」=「普通の」という感じです。   
    正確に書くと「自分を要素としない集まりに作られない」となります。

    Set_ob b  Df.  ¬(∃B At B ∧ b∈B ∧ B ma b)
    Objに対して相対的なSetのことです。
    Objが定義されていなければ定まりません。
    とうぜん次の定理がなりたちます。

    T.Set_ob  ∀b Set b ⇒ Set_ob b 

    R_ob  Df.  ∀b b∈R_ob ⇔ Set_ob b
         自分を要素とするAtな集まりに作られないクラス全ての集まり
 


 2. 分類

 [ Type.1 ]
    U ⊂ R
    ∀x Obj x ⇒ Set x 
 
    
 [ Type.1 ]
    U ⊂ R
    ∀x Obj x ⇒ Set x 

 [ Type.2 ]
    R ⊂ U
    ∀x Set x ⇒ Obj x 

 [ Type.3 ]
    ¬(U ⊂ R) ∧ ¬(R ⊂ U) ∧ ¬(U ∩ R =φ) 
    (∃x Obj x ∧ ¬Set x) ∧ (∃y Set y ∧ ¬Obj y) ∧ (∃b Obj b ∧ Set b)

 [ Type.4 ]
    ¬(U ⊂ R) ∧ ¬(R ⊂ U) ∧  (U ∩ R =φ) 
    (∃x Obj x ∧ ¬Set x) ∧ (∃y Set y ∧ ¬Obj y) ∧ ¬(∃b Obj b ∧ Set b)
 
 Type.1とType.2はUとRの関係が反対です。
 Type.3はType1.Type.2のどちらでもなく、UとRの重なりがある。
 Type.4はType1.Type.2のどちらでもなく、UとRの重なりがない。

 「⊂」に「=」がありません。
 なぜなら、U=Rとすると矛盾が起こります。      
    ∀b Obj b ⇔ Set b と仮定します
    U ma u とすると At U ゆえに
    Cl u    −*
    一方
    R ma r とすると ¬Set r 、 u=r ゆえに
    ¬Set u 仮定より ¬Obj u
    また ∃B u∈B ∧ B ma u だから
    ¬At B
    [At.Cl]と*式から  
     At B
    矛盾
    


 3. 定理

 それぞれの型のクラス理論がどのような性質を持っているかの定理を示します。

 Type.1の定理

 T.1−1  ¬Obj u 
 T.1−2  Set u  [A.Cl]
 T.1−3  ∀b Prcl b ⇒ Set b
 T.1−4  ∃k Ind k
        個体が存在しうる。
    A.Pair があるとする
    Set u ゆえに
    {u} ma k なら
    Set k
    クラスkはSetであるから、Objであるとしても矛盾はない   
    Obj k    −*−
    なお、T.1−1  
    ¬Obj u ゆえに
    ¬At {u} ゆえに
    ¬Cl k  [A.Cl]
    *式とあわせて
    Ind k
    全クラスu1個を要素とする集まり{u}の作るクラスkは個体でありえます

 T.1−5  ∀y Set_ob

 この型のクラス理論のなかでは、IndもObclもPrclも皆Setです。
 たとえば、¬Setであるクラスrなどは、この理論と関係のない存在です。

 Type.1のクラス理論の例

 ZFはこの型に属します。
 A.RegはType.1の条件そのものです。

 Type.2の定理

 T.2−1  ∀y ¬Set_ob y ⇒ Obj y  −R_ob ⊂ U
 T.2−2  ¬Set_ob r  
 T.2−3  ¬Set_ob –r_ob
 T.2−4  ¬∃y Ind y     [A.{ }]
 T.2−5  ¬∃y Prcl y    [A.Cl]   

 Type.2のクラス理論の例

 FC自体がこの型に属します。
 全てのクラスがObjであると定義すれば、「FC」のFCの上への表現になりますが、当然 R ⊂ U となります。
    Obj y  Df.  y=y
 FCでは全てのクラスが要素となり、クラスは皆集まりから作られるのですから、個体やプロパークラスが存在しないという定理も当然のことです。    

 Type.3の定理

 T.3−0   Set_ob r              [A.Cl]
 T.3−1  ¬Set u ∧ Obj u        [A.Cl] [A.At] [A.{ }]
 T.3−2  ¬Set_ob u               [A.Cl] [A.At] [A.{ }]
 T.3−3  ¬Set r_ob ∧ Set_ob r_ob  [A.Cl] [A.{ }]
 T.3−4  ¬Set −r ∧ Set_ob −r   [A.Cl] [A.{ }]
 T.3−5  ¬Set −u ∧ ¬Obj −u    [A.Cl] [A.At] [A.{ }]
 T.3−6  ¬Set_ob −r_ob           [A.Cl] [A.{ }]
 T.3−7  ∀y Prcl y ⇒ Set y    [A.Cl]
 T.3−8  ∀y Ind y ⇒ Set y     [A.At]

 Type.3のクラス理論の例

 クワインのMLがこの型の例です。

 このような集まりNとクラスnを考えます。
    ∀b b∈N ⇔ b=m ∧ Set m , N ma n
 Nの条件の論理式の中の「Set m」は層別化不可能ですから、¬Obj n
 また、A.PairからSet n
 ゆえに、
    Set n ∧ ¬Obj n  −*1−

 また、全集まりUは層別化可能ゆえに Obj u
 Setの公理A.⊂より、¬Set u
 ゆえに、
   ¬Set u ∧ Obj u  −*2−

 また、
   Set 0 ∧ Obj 0  −*3−
   ただし、φ ma 0
 *1、*2、*3式はType.3の条件です。

 Type.4の定理

 T.4−1  ∀y ¬Set_ob y ⇒ Obj y 
 T.4−2  ¬Obj r      [A.Cl]
 T.4−3  ¬Set_ob u     [A.Cl] [A.{ }]
 T.4−4  ¬Set_ob −r_ob  [A.Cl] [A.{ }]
 T.4−5  ¬Set −r ∧ Set_ob −r  [A.Cl] [A.{ }]
 T.4−6  ¬Set −u ∧ ¬Obj −u  [A.Cl] [A.At] [A.{ }]
 T.4−7  ¬Set r_ob ∧ ¬Obj r_ob  [A.Cl] [A.At] [A.{ }]
 T.4−8  ∀y ¬Prcl y  [A.Cl] [A.{ }]
 T.4−9  ∀y ¬Ind y   [A.Cl]

 Type.4のクラス理論の例は、知られているクラス理論には存在しません。
    

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