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怖い話スキーコミュのこけし

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先日、地元の駅のホームで気になるものを見た。ベンチに座った中年の女性。腕には布に包まれた赤ん坊を抱きかかえている。それだけならなんて事ない光景なのだが、俺が気になったのはその女性の風貌である。頭髪は薄く、テッペンは禿散らかしている。そして目と目が…妙に離れている。目の焦点はおぼつかず、まるで生気を欠いている。こう言っては失礼にあたるのかもしれないが、魚のような顔をしているのだ。その女性の体は微動だにしないが、目だけがキョロキョロと動いている。そんな容姿とは裏腹に、Tシャツにジーパンという平凡な服装に身を包んでいた。

気味が悪い…
失礼ながら俺はこう思ってしまった。 ベンチに座っているから電車を待っているのだろう。俺はその女性を視界に入れないよう、その場を離れて電車を待つ事にした。

後日。

俺は仕事を終え、帰路についていた。最寄り駅を降り、自宅に向かう。俺の家は駅から徒歩1分圏内にある。さっさと休みたい。俺は足早に歩いた。

ところが、自宅の手前あたりでギョッとする光景を見た。先日見かけたあの女性が、向こう側から歩いてくるのだ。今日も腕に赤ん坊を抱きかかえているようだ。心拍数が上がるのがわかった。細い道な上に歩く方向は正反対。絶対にすれ違うだろう。

女性との距離はどんどん縮まる。俺の不安感は高まっていった。しかし、俺が一方的に警戒しているだけで、その女性が何をしたというわけではない。すれ違って…終わりだ。そう自分に言い聞かせた。

いよいよ距離が詰まり、女性とすれ違う瞬間、おや?っと思った。女性が抱えているもの。

赤ん坊ではない。
木彫り細工…
こけし…?

子供の姿をかたどった木彫り細工。 その女性はこけしを両腕に抱えていたのだ。

何故、こけし?

俺は寒気がして、すれ違った瞬間にふと立ち止まった。 しかし振り返る事は出来なかった。 こないだは確かに赤ん坊を抱えていた。女性の風貌に気を取られて赤ん坊はちゃんと見なかったかもしれない。記憶は曖昧だが、確かに布に包まれた赤ん坊だったはず。どちらにしても、こけしを両腕に抱えて歩く姿には違和感しか覚えない。

こけし…
子消し…

俺はこけしの意味を…
幼い頃に祖父に聞いたこけしの由来を…
心の中で反復していた。

コメント(10)

子供を亡くされて悔やみ切れないんでしょうね
おかしな人物 不審(?)な人物を二度観る・・・
偶然としても 嫌な体験ですね

自分が観たとしても 気味が悪い・・・と感じてしまいます きっと
(´・ω・).。oO(もうちょい改行入れると読み易いヅラ…
こんな人が地元に住んでいるという点、そこにも恐怖を覚えます。
こけしの解釈の仕方次第で、悲しい話にも恐ろしい話にも変わると思うのです。

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