New Yorkサッカー狂会コミュのNYサッカー狂会通信.02

来るワールドカップに向け５月１５日、ドイツの地を踏む日本代表メンバー２３名が右表の通り、発表された。
今シーズン、欧州リーグで最も活躍した日本人であるフランス・ルマン所属MF松井が外れ、FW登録として玉田が選ばれた。また、FWの大黒柱として期待された久保がコンディション不良の理由で外れ、「聞き足は頭」が口癖の大型FW巻が抜擢された。

今回、ポジション別に日本代表を期待を込めて分析する。
　GKのレギュラーは３度目のワールドカップとなる川口能活。アトランタオリンピックでブラジルを破った「マイアミの奇跡」やコンフェデ杯での神がかり的なセーブに代表されるようにこの男の大舞台での集中力は計り知れないパワーを生む。昔のように、前に前にポジションを取るだけではなく海外でのプレーを経験し、我慢することも覚えた。このポジションで大切な経験に加え持ち味の俊敏さも衰えておらず、正確なプレースキックも攻撃の第一歩として魅力的だ。
　DFだが、４バック、３バックにしてもトルシエ時代のフラットではなくスイーパー一人を余らせる布陣を取る。大型FWを揃えるオーストラリアやクロアチアに対して全体的に平均身長が高いとは言えないセンターバック陣にやや不安が残る。空中戦の優劣がはっきりと表れるコーナーキック・フリーキックに注意し、ゴール前での不用意なファールだけは犯さないで欲しい。ジーコジャパン最大の発見であり、試合毎に成長する、右サイドの加地に期待。左サイドの三都主に関しては守備力の不安はさることながら彼のフィジカルの強さと突破力に期待か・・・
　やや不安なDF陣を解消するキーとなるのがボランチである。名将・ジーコは自軍の弱点が裏を取られる左サイドと空中戦に強いと言えないキャプテンにあることを十分に理解していると考える。ジーコの指示項目は単純明快、「クロスを上げさせるな」。そこで、ポイントとなるのがボランチである。ズバリ、福西と中田英寿を起用すると考える。当たりが強く、サイドのカバーリングをケアできる運動量を持った二人に攻撃の芽を摘ませ、空中戦に強い福西に関しては時折、最終ラインまで下がる場面も出てくるであろう。中田英寿が前がかりになった時や不用意なパスからのカウンターが心配だが、世界を知るこの男の縦横無尽の活躍無しに日本代表の勝利は考えられないだろう。
　中盤、前の二人は、中村が軸になり小笠原、小野がコンディションによって使い分けられるだろう。直近試合のキリンカップ２試合を見る限り、小野のコンディションが例年になく良いので開幕まで今の状態を持続できれば小野を起用してもらいたい。FWとの相性を考えると「小野−高原」「小笠原−柳沢」だが、得点感覚に優れた小笠原をベンチに置いておくことは、勝負所でジーコの最強ジョーカーとなるだろう。
　FWは、高原が軸となり、怪我の回復次第だが柳沢が先発メンバーに近い状態にあるが、未だに激戦区である。個人的にはフランスで経験をつみ、大舞台でも臆することのない大黒を先発起用してもらいたいが、キャンプの状態次第と考える。思い切って巻を先発起用する可能性も捨てきれない。本大会で大化けするストライカーが出ることを祈る。
　「キャプテン翼」世代の影響か、中盤にタレントが揃うこのチーム。開幕まで一ヶ月のキャンプでチームとして全体の守備の約束事、中盤とサイド、ボランチとDFの連携を中田英寿が中心となって成熟していけば世界と十分に戦える戦力を持っていると断言する。
　何よりも監督ジーコはじめ、中田英寿、川口、小笠原ら無類の負けず嫌いが揃い、エコノミー症候群で前回大会を棒に振った高原、落選した中村、欧州で活躍が出来ていない稲本ら、このメンバーの今大会にかける思いは、「気持ち」を重視するジーコが選ぶに相応しいほどのエネルギーを感じる。
　メンバー発表後、首相官邸を表敬訪問した時、小泉首相に「優勝とまでは言わないが、ブラジルといい試合をしてほしい」と言われ、「下馬評は当てにならない」と言い切り、会見では「国（日本）のために戦う」と何度も口にしたジーコ。
時は来た。ジーコに選ばれた日本代表とジーコを信じ、ただただ勝つことを信じ応援しよう。
下馬評は当てにならない。