手の力・手の神秘コミュの「未来の自分へのコンタクト」と「ドッペルゲンガー」。

　アメリカ合衆国第16代大統領「リンカーン」は、ある日の就寝時、なかなか寝付けない時間を過ごしていました。彼は別の部屋で、ある物音を聞きつけ、そこへ行ってみるとそこは大勢の人々が悲しんでいる情景に遭遇しました。彼はその内の一人に「どうされたのですか？」と尋ねると「人が死んでしまったのです」と答えたのです。リンカーンは「一体誰が亡くなったのですか？」と聞くと「大統領です」と返事を受けて驚いてしまいました。実際、悲しみに暮れている人をかき分け、棺を覗いてみるとそれはなんと、自分自身の姿だったのです。翌朝、その話を妻にすると「きっと悪い夢でも見たんだわ」と諭され、彼は「あれは悪い夢だった」と思い込んだそうです。その後、約一週間が経過し、運命の1865年4月14日フォード劇場において暗殺されました。

　また、小説「蜘蛛の糸」や「杜子春」で有名な「芥川龍之介」は、自殺する前から自分自身の姿を何度も見たという話が残されています。
　彼の小説「人を殺したかしら」の内容は、『青年が人を殺す夢を見る。だが、その事件は翌朝になると実際に起こっている。しかも夢で殺した被害者と、実際の殺人事件の被害者はとても良く似ている。さらに事件は、全て自分の近辺で起こっている。青年は「もしかしたら、本当に自分が殺しているのかも」と、悩み苦しむようになる。そしてそれは「もう１人の自分がいるのかも・・」という悩みへ変わっていく』というもので、まるで自分自身をモデルにしたと思われる内容を表現しているかのようです。

　このような現象の事を「ドッペルゲンガー（独）」と呼び、和訳すると｢二重の歩く者｣となり、「生きている人間の霊的な生き写し」を意味します。ドイツ語の「ドッペル (doppel)」とは、英語の「ダブル (double)」に該当し、その存在は、自分と瓜二つではあるが、邪悪なものだという意味を指します。以上の意味から、自分の姿を第三者が違うところで見るまたは、自分で違う自分を見る現象のことになります。

　さて、これらのお話・・・皆様、信じられるでしょうか？

　もう少し、身近な話題をするなら、オリンピックで活躍される選手のほとんど全てが、自分が勝利者となる情景をイメージします。これを繰り返すことによって、自分に自信を持ち、さらにはそれが実現するというプロセスで、これは「イメージトレーニング」という「ドッペルゲンガー」とは異なった表現を用いております。
　私はこの２つに関して、基本的には同一のものだという認識です。確かに「ドッペルゲンガー」は無意識な邪悪の気持ちが現われたという前提が存在し、この部分で、能動的な意識改革を行なう「イメージトレーニング」とは異なりますが、「未来の自分へのコンタクト」という根っこの部分では同一で、それが「正」か又は「負」の現象として出力されるかの違いだけだと思うのです。

　私の個人的なお話をさせていただくと、遠い過去に私は寿命を全うした自分の姿を度々、夢で見た経験がございます。その時に見た情景で、悲しんでいる女性（奥さん）の姿が強烈に残っています。私は若くして自分が寿命を全うした情景や、将来一緒になるであろうパートナーの姿を見てしまったのです。
　また社会人になったばかりのある日、私は交通事故に遭う夢に連日魘されていました。まだ、あの頃は自分の能力をコントロール出来る術を知らず、単に怖い情景に恐れていた事を覚えています。そんな頃、私が占術の道へ進むルーツとなった方から「あなたは近いうちに事故を起こす可能性が高いから気を付けなさい」と告げられ、今思えばただやみくもに突っ張っていました。結果的にそれは回避できたのですが、代わりに病気を患い数ヶ月間の長い入院生活を送ることになりました。

　その後、私は自分で運命を変えてしまい、自分の力を周りの困っている方々へ還元することを第一に考えるようになりました。そこからです・・・自分の持っている力を「負」の邪悪なイメージから「正」へのイメージへと・・・

　現在の私は、将来の成功した自分とコンタクトを取っています。私には古今東西に溢れている「成功に関する書籍」は必要ございません。何故なら、間違った方向に導くのも、正しく導くのも全ては自分自身なのですから。一流の画家は「絵が上手に描ける本」なんて読まないでしょうし、また、陸上で金メダルを取る人は「速く走れる本」なんて・・・きっと読んではいないでしょう・・・

　私の理想は、皆様がご自身の備えておられる力を、そのまま素直に自分の色で出していただきたいのです。それが「正の力を備えた、未来の自分へのコンタクト」に繋がると考えているのです。。。