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時尚産業コミュの日本に内在する二つの社会

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 現代の日本は二つの社会を内在している。第一の社会は、既存の価値観、一億総中流、護送船団、談合的協調の社会である。これまで日本のマーケットとして研究されてきたのはこちらの社会である。こちらを「第一社会」としておこう。
 第二の社会は、格差社会、個人主義、ニート世代、派遣社員やアルバイトが主流という最近注目され、旧世代には不安視されている社会である。こちらを「第二社会」とする。 第一社会のメインターゲットは団塊世代。日本型組織社会に所属し、正社員が当たり前という考え方。安定した収入と横並びの収入。結婚して家庭に入ることが一般的であり、あえて社会進出している女性は自己実現を目指している。世間体、常識を大切にしたライフスタイル。当然、人の目、特に同性の目が気になる。メディアは、新聞、テレビ、週刊誌が中心。日本国内で完結するビジネスを一般的と考えている。日本は製造業で成り立っていると考えており、製造業的なビジネス発想が強い。日本の製造業の空洞化を招いた張本人の世代であり、それを嘆く世代でもある。
 ファッションでいえば、ヨーロッパに対するコンプレックスが強く、モード系を支持。社会的なステイタスを表現するブランド商品も大好き。リタイアの時期を迎え、会社に代わるたまり場を探している。若い頃に音楽を趣味としていた人たちが、親父バンドを結成し、フォーク酒場で弾き語りを楽しむ。若くてお金のなかった時に変えなかったものを大人買いしたり、高価な趣味の商品を購入することもある。
 男性社会である会社組織に馴染んでいるお局様と呼ばれるベテランOLも、こちらのグループに所属している。
 最近、注目されているリッチな大人、チョイ悪親父、ニキータマダムも、こちらのグループである。
 第二社会のメインターゲットはフリーター、ニート世代。社会人になる時には、日本型組織が崩壊し始め、新卒採用を見合わせる企業が多かった。正社員は特権階級となり、一般的な就職は派遣社員やアルバイト。不安定な収入、実力次第で収入の格差があるのを当たり前と考えている。女性が仕事をしているのは生活のためであり、結婚して子供がいる専業主婦を勝ち組と認識している。世間体より仲間意識が重要。基本的には個人主義であり、それが高じて「オタク」と呼ばれることもある。誰もが、何かのオタクであることが当たり前という感覚。メディアは、インターネット、携帯電話、フリーペーパー等が中心。旧来のメディアに未練はない。ITビジネス、グローバルビジネス、ファイナンスビジネスが一般的ビジネスと考えており、ビジネスとプライベートの境界も曖昧。在宅ビジネスや起業の抵抗もない。
 ファッションはリアルクローズ系。ヨーロッパに対するコンプレックスは希薄で、ブランド消費にも興味はない。無印良品、ユニクロ等をベースに、トレンドアイテムを加え、コーディネートを楽しんでいる。一部のファッションマニアは、尖ったモード系デザイナーが大好き。ステイタスのためのファッションではなく、自己表現のためのファッションを追求している。
 団塊世代がたまり場を探しているのに対し、こちらの世代はストリートライブのようなオープンでフローな環境を楽しんでいる。フォーク酒場が最も恐れているのは、ストリートライブをやっている若者が押し寄せること。二つの世代が混じり合うことは少な区、全く別の社会を構成しているように感じる。
 買物は、ネットオークションでより安く競り落とすことに快感を感じている。携帯での買物にも抵抗はない。本を購入するのも、インターネットで検索し、コンビニで受け取る。百貨店や量販店がなくても困らないが、コンビニがなくなると生活が成立しない。
 男性社会である企業に所属しない主婦は、こちらのグループに近い。通販、テレビショッピングも大好き。モノを買うより、旅行に行きたい。体験消費を優先している。
 以上は、象徴的に極端な表現をしたが、現実には両者の境界が曖昧な場合もあるだろう。しかし、二つの社会が内在していると表現したように、両者は明確に異なる価値観、ライフスタイル、消費スタイルを持っている。現在のマーケティングは、年齢、居住地、収入等で区分するのが一般的だが、その前にこの二つの社会のうち、どちらに所属しているのかを明確に設定する必要があるだろう。まだ、自社がどちらの社会に適応したビジネスを展開しようとしているのかも明確に設定する必要がある。

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