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冤罪事件研究コミュの加藤周一(談)「適度な正確さ」p161-166『過客問答』かもがわ出版・2001.5.25

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加藤周一(談)「適度な正確さ」p161-166『過客問答』かもがわ出版・2001.5.25

今日、浜松市復興会館へ行きました。袴田事件がわかる会に出席参加するためです。。

再審開始支援団体の事務局長の山崎俊樹さんによる、最近(2月に)出た検察側の主張の鑑定に対する批判を聴きました。

検察はみそ漬けの「犯行着衣の血液の赤み」が残る可能性を裁判官に心証形成するために、実験において以下の措置をした。

みそ漬けにした資料を、酸素を抜いた真空パックにして詰めて保管。(それは「犯行着衣」とされているものが隠されていたみそタンクの底の方は、酸素が届かないらしいという前提。) いわゆる嫌気状態を作るため。


脱酸素剤(お菓子の袋に入っている板状のものをご想像ください)を真空パックに同封した。これも嫌気状態を作るため。

みそ製造過程で用いる水に、茶畑で用いる肥料の成分が混入されていると仮定(静岡は茶所なので井戸水あるいは水道水にそれが入っているかもしれない?と考えたのだろう)して、資料の中に、肥料の成分と同じものを加えた(これは、別の面からいえば、ハムや肉製品の赤みを維持するために用いられる成分と同じで、発色を良くする働きがある)。

実験結果資料の撮影時のデジタル写真で、意図的なのか単に稚拙だったのか不明だが、赤っぽく見える(加工)処理がされている。

しかし、メイラード反応(糖とタンパク質が結合して褐変(黒色)化する)は、PHが弱酸性(みそ)の状態で進行する。且つ(みそ中の)塩分によって赤血球中のヘモグロビンが壊れ、それが酸化することによって褐変(黒色)化する。この二つの化学反応によって、資料の褐変(黒色)化の「化学的機序」は否定しようがなく、実験半ばだが、もう続行したくないと漏らしている、という。しかし弁護側の要請で更に継続されることになった。

会場からの質問意見は、検察側は科学論争に引き込んで、「・・・の可能性も否定できない」との論理展開で、例外的に、赤みがのこらないとも限らないとして、不毛の、そして延々と議論を続かせる戦法に持ち込もうとしているのではないか、と危ぶむ声も出た。

私見。「適度な正確さ」。もともとは内田義彦さんの問題提起に発していて、加藤周一さんがそれに着目して唱えていたフレーズで、晩年に、江藤文夫さんのまとめられた、かもがわ出版から出たご著書で、かなりのスペースを割いて書いておられる 「加藤周一講演集 4巻 語りおくこと いくつか」(かもがわ出版) か『過客問答』のいずれかに入っている。この言葉の 初出は僕の知る範囲では、岩波書店のPR誌『図書』1970年前半。「世界一周記」ではなかったか?

「・・・の可能性も否定できない」で人を有罪にできるのか?本来なら検察側の有罪立証が失敗したら、それで無罪のはずなのに、弁護側に過重な立証責任を強いる現状がおかしい。しかし現状がそうである以上、しかたなくそれで戦わなくてはならざるを得ない変な話。検察側の有罪の主張に「合理的な疑い」がある場合には「(有罪とするには不十分な証拠しかなく、有罪認定するのには)疑わしき(場合には)は罰せず」の大原則が貫徹せず、機能していない日本の刑事司法。

大体、三人の合議体で二人が有罪で、ひとりが無罪だったら、二対一で有罪が確定してしまうなんて「適度な正確性」であるはずがない。66.666パーセントで有罪なんて土台おかしな話。死刑か無罪かがどちらか一人が、どちらかに回る(与する)だけで、真逆の結論が出てしまう。

コメント(1)

科学的思考とは何か? 裁判と科学とはどういう関係があるか?事実認定とは?

中山健夫 だまされぬ6つのヒント 朝日新聞 2007.2.13

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