電車で人間観察コミュの鼻水30cm

２年くらい前の事です。
朝ボーッと電車の中で立っていたら、ふと窓際に座っていた男の人の鼻になにやら光るものが。
男性は英語の太い小説を読んでいる途中で、あまりの心地よさに眠ってしまった様子。
いかにもインテリジェンスな感じの、４０歳くらいの男性です。

輝かしい朝日に反射して、それはまるで宝石のようにキラキラと。
思わず見とれているとそれはどんどん長さをおびてきました。
「あ！」っと思って周りを見渡したけど、気付いている人は他にはいないようでした。
それはとどまる事を知らないようで、とにかくひたすら糸をひいて成長し続けていました。
長くなればなる程、電車の揺れにのってまるでメトロノームのようにプラーンプラーン…と。
私はその人がパッと起きた時に、ペトッて口からアゴについて恥ずかしい思いをするんじゃないかと思い、敢えて目をそらしました。

それから５分後…おそるおそる見るとなんと！！
その光る糸はなんと２本に増えているではないですか！
あとを追うように、２筋目の糸と雫がツツーッと。

「これはやばい。しかももう名古屋に着くしさすがに起きるだろう。」私は男性が気付く所までしっかり見届けるべきか、目をそらしておいてやるべきか、いやここはティッシュを置いといてやるべきか…と悩みました。

男性は名古屋についても起きませんでした。
だからその後どうなったかわかりません。
しかし鼻水があれほどまでに、耐久性のあるものだとは知りませんでした。