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「やおい論」研究。コミュの石田美紀 『密やかな教育――〈やおい・ボーイズラブ〉前史』

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欲しい、というか買うと決めてるんだけど、けっこう値のはるものですので、一割引の大学事業部で買わないと……でも、大学に行く暇ない・・・な状態。

先に手に入れた人は是非、感想を!

http://www.rakuhoku-pub.jp/book/27088.html

 「やおい・ボーイズラブ」というジャンルも、その愛好者を指す「腐女子」という分類もなかった70年代……

 少女マンガと小説の場に出現した「女性がつくり楽しむ男性同士の性愛物語」は、旧い教養(三島由紀夫、ヘッセ、稲垣足穂、ヴィスコンティ…)をどん欲に取り入れ、エンターテインメント教養ともいうべき独自の体系へと成長していった。

 本書は、この性愛表現が誕生し、80年代に充足してゆくまでの軌跡に光をあてる。

 「女こども」とみなされていた女性の創作者たちは、なにを糧とし、いかなる葛藤に直面し、どのように次世代へとリレーしていったのだろうか。

◆ インタビュー執筆者
竹宮惠子
(マンガ家、代表作『風と木の詩』『地球へ』『イズァローン伝説』等)

増山法恵
(小説家、「24年組」の拠点であった「大泉サロン」の発起人)

佐川俊彦
(京都精華大学マンガ学部准教授、雑誌『JUNE』元編集長)

上にもどる ▲
本書の目次

第1章
革命が頓挫したあとの「少女マンガ革命」

  マンガという新たな〈教養〉
  「少女マンガ」という驚き
  モノローグが露(あらわ)にする内面――竹宮惠子「サンルームにて(雪と星と天使と)」(1970年)
  内的ヴィジョンの横溢(おういつ)
  「少年愛」のために選ばれた表現スタイル
  少女マンガ、ヘルマン・ヘッセと出会う
  少年たちの世界――『車輪の下』、『デミアン』、『知と愛』
  マンガと〈文学〉の軋轢(あつれき)――内面描写を巡って
  目標としての「文学」
  ヘッセの内面描写――具象的で可変的なイメージ
  ヘッセから離れて――「エロティシズム」と「美」
  それを「少年愛」と名づけたこと――「少年を愛すること」なのか、それとも「少年が愛すること」なのか
  稲垣足穂『少年愛の美学』――少女マンガにおける「少年愛」の起源
  からっぽにされた「少年を愛する主体」
  「少年が愛する様」を愛すること


第2章
ヨーロッパ、男性身体、戦後

  憧れの土地
  三島由紀夫という背中あわせの隣人
  ふたつのヨーロッパ経験
  肉体の発見――三島由紀夫のヨーロッパ体験(1952年)
  男性身体の露出――少女マンガ革命以前
  男の体で政治を語る――『血と薔薇』(1968‐69年)
  官能のヨーロッパ――異議申し立ての足場として
  男の肉体の失墜――1970年、『地獄に堕ちた勇者ども』と三島の死
  少女マンガとヨーロッパ
  ディテールの追求
  空間の厚みを知ること――1972年のヨーロッパ旅行
  リアリティと夢想のアマルガム
  政治から美へ


第3章
〈文学〉の場所で ―― 栗本薫/中島梓の自己形成

  「栗本薫」というペンネーム
  「ぼく」という一人称――評論と実作の架橋(かきょう)
  作者と主人公の一致とズレ――『ぼくらの時代』(1978年)
  求められる「私」への抵抗
  「エンターテインメント」を味方にして
  「私小説」的ミステリ小説――「ぼくらのシリーズ」
  理想の「私」をつくるための習作――「今西良シリーズ」
  作家としての私


第4章
「耽美」という新しい〈教養〉の効能 ―― 雑誌『JUNE』という場

  1978年、『Comic JUN』創刊
  「耽美」というコンセプト
  70年代サブカルチャーの総花としての「耽美」
  少女たちへの教育装置としての「耽美」――「ジュスティーヌ・セリエ」作品
  80年代、次世代創作者の育成(その1)――「ケーコタンのお絵描き教室」
  80年代、次世代創作者の育成(その2)――「中島梓の小説道場」
  『JUNE』発「耽美」小説と映画批評――石原郁子の仕事


おわらないおわりに

1 竹宮惠子 インタヴュー
  耽美は溺れるものではなく、するもの

  名づけられないもの
  ヨーロッパを舞台に選んだ理由
  『風と木の詩』のディテールとヨーロッパ経験
  援護射撃としての『JUNE』
  中島梓との共同作業――「ジュスティーヌ・セリエ」作品
  「耽美」は溺れるものではなく、するもの
  ゲームではなく――BLとの違い
  後進の指導


2 増山法恵 インタヴュー
  少女マンガにおける「少年愛」の仕掛け人

  「七〇年安保闘争」と「少女マンガ革命」
  「感想はマンガで」
  編集部との闘い――既成の少女マンガへの挑戦
  少年を描くこと
  質をあげるために――1972年のヨーロッパ旅行
  1976年、『風と木の詩』
  黒子に徹する――「変奏曲シリーズ」における共同作業
  『JUNE』について
  「少女革命」が成し遂げたもの


3 佐川俊彦 インタヴュー
  文学と娯楽の間を行ったり、来たり

  「二四年組」が発端
  「耽美」というキーワード
  「心の不良」である『JUNE』の読者
  新しいジャンル、新しい表現の立ち上げ
  バトンタッチできるものとできないもの


著者紹介

石田美紀 (いしだ・みのり)

1972年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。現在、新潟大学人文学部准教授。専門は映像文化論。

著書として、『入門・現代ハリウッド映画講義』(共著、人文書院、2008年)、『カラヴァッジョ鑑』(共著、人文書院、2001年)ほか。

論文として、「メタ映像としての幽霊表象――中田秀夫監督『女優霊』」『アート・リサーチ』(6号、2006年)、「日本におけるルキーノ・ヴィスコンティ作品受容の独自性とその文化的影響」、『映像学』(75号、2005年)、「ファシスト政権期イタリア映画における「白」の視覚――「白い電話」と白い砂漠」、『美学』(56巻2号、2005年)、「響きと吐息――〈声のBL〉という申し開きのできない快楽について」、『ユリイカ』(12月臨時増刊号、2007年、青土社)、「「ヒューマニズム」と「センチメンタリズム」のすぐそばで――『A.I.』と『アミスタッド』」『ユリイカ』(7月号、2008年、青土社)ほか。

コメント(2)

手にしました。とりあえず、コミュのレビューコーナーに入れましたのご参考までに。

でもそうなると澁澤龍彦や稲垣足穂もまた読むことになるのでしょうね(幸いなこととしては澁澤の『血と薔薇』・稲垣の『少年愛の美学』は文庫化されていることだろうかと)
>到津さん

レビューありがとうございます。私は手に入れたけど、まだまだちゃんと読めてません。

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