九条の会@mixiコミュのsmall is beautiful

亀井文夫監督『生物みなトモダチ―トリ・ムシ・サカナの子守歌』
過ぎたるは猶及ばざるが如し　大きくなり過ぎてもダメなんだよ

昔、small is beautiful というのがあった。あれは日本初のキャッチコピーではなかったか?大きいばかりがいいんじゃない。石橋湛山の「小日本主義」。福岡ユネスコの会議で加藤周一さんも彼について言及していた。久野収さんは佐高信さんに、岸信介或いは岸信介的なものに、対抗できるのは佐橋滋と言っていたが、もうひとり、石橋湛山も忘れちゃいかん。実際、総裁を決める選挙で岸に勝っている。李御寧（イ・オリョン）さんの『縮み』志向の日本人」が書庫にある。今朝のサンデーモーニングで、コメンテイターの方が「シュリンク」という言葉を否定的意味でつかわれていた。松原耕二さんだ。いい意味で「縮み」を使ってもいいんじゃないか?発想の転換。奥平康弘先生と井出孫六さんの対談でも、カエルは牛の真似をしてお腹を膨らせちゃいかん、みたいなことを対談の終わりでいっていた。身の丈にあった、という意味だろうか?

今日行った浜松のお店でご店主の方が、「創意工夫」という四文字をおっしゃった。これは大事な言葉だと思った。たやすくあきらめないで、なんとかやりくりしてやっていく。袴田事件の支援者の方が毎朝、そのお店に寄って食材を買い、袴田家にお届けしていらっしゃるそうだ。巌さんとお姉さんにそれを食べていただいているそうだ。安心安全、健康を心がけて、厳選した素材を厳選した調味料を用いて、お惣菜を作っておられるとお聞きした。

日本に必要なのは、ちっちゃくても創意工夫を凝らして、良いモノづくりをして国内の人をたべさせたり、世界の人々に貢献することがなんじゃないかな。安易に武器づくりに手を染めて、アメリカ合衆国みたいに兵器産業で国を富ませる事じゃないと思う。国土の拡大じゃなくて、大きさにこだわらない。昔は満州は生命線だ、みたいなことを言っていたが、あれは間違いだった。戦後、領土を減らしても、民生に特化したモノづくりで、小さいながらも日本は成功したではないか。

『方舟さくら丸』を書いた安部公房さんは、ユープケッチャという虫を創作して、縄張りの最小というモデルを造形、形象化した。その反対が核兵器とおっしゃった。また禅も縄張りの小さいものの例として挙げられる場合もある。日本には、これら少なくとも二つのモデルがある。

中村哲さんのこともある。砂漠を緑化させた。軍事ヘリコプターが上空を飛ぶ、そのしたで、シャツだけで手作業と重機で埃まみれになって、現地の人々と一緒に用水路を建設した。最新の機械じゃない。土木技術も知識ゼロから勉強して、始められたのだ。もともとはお医者さんだったのだ。ここにも「創意工夫」があったと思う。「山田堰」は故郷の河にあった江戸時代の治水の知恵を援用したものだ。クナール河の急流を取水口を破壊することなく用水路に取り寄せる技術だ。