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九条の会@mixiコミュの原発雑考第255号の転載です。

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255号
2009・10・5
発行 田中良明
転載自由
連絡先 豊橋市富士見台2丁目12-8 E-Mail tanaka49@mx1.tees.ne.jp

鳩山政権に期待できること
 鳩山政権になって、核の問題で何か期待できることがあるだろうか。可能性があるとすれば、核廃絶への取り組みであろう。
 すべての核保有国が、核攻撃を受けないかぎり核兵器を使用しないことを約束すれば、現実的に核兵器は使用不可能になる。それは核廃絶への第一歩になりうる。従来、アメリカがこの核先制不使用の約束に消極的であった。そのアメリカでも、キッシンジャー元国務長官などかつてアメリカの核戦略の中枢にいた人たちが、核廃絶を主張するようになっている。核廃絶を訴えた今年4月のオバマ大統領のプラハ演説にはそんな背景もあったのである。
 ところが自民党政権は、あろうことか、核先制不使用を約束しないようにアメリカに働きかけていた。核兵器だけでなく、生物・化学兵器の脅威にたいしても核を使用する可能性を残すべきだというのである。これは、核兵器の役割を狭めるのではなく、広めようとするものであり、核廃絶への逆行である。
 この自民党政権のあまりにもひどい姿勢が、少しは改まるのではないか。鳩山首相は、国連安保理首脳会合で「日本が核廃絶の先頭に立つ」と述べた。そこに期待したい。とはいえ歴代自民党政権も表向きは同じことを述べながら、裏では正反対のことをやってきたのである。鳩山政権がその二の舞にならないよう、監視と圧力が肝要である。
 核エネルギー利用(原発、核燃料サイクル)については、期待できることはほとんどない。ただし、ここはムダ、不合理、癒着、住民無視がもっともひどい分野である。民主党の掲げる行政の改革が貫徹されれば、核燃料サイクルは即座にアウトだし、原発の存立も危うくなることは必然である。この分野は鳩山政権の本気度を測る試金石になるし、その意味で鳩山政権に圧力をかける手掛かりには事欠かない。
正しい原発広報
 昨年4月に発行されたある雑誌に電気事業連合会が掲載した「原子力発電はクリーンな電気のつくり方」という広告のコピーについて、神奈川県の男性が日本広告審査機構(JARO)にたいし、「事故時の放射能汚染の危険性があり、とうていクリーンとはいえない」と申し立てた。これについてJAROは、昨年11月に「原子力発電にクリーンという表現を使うことはなじまない」という裁定を下していた。
 今年1月末に共同通信がこの件にかんする記事を配信し、西日本新聞や山陽新聞がそれを掲載して、広く知られるようになった。全国紙がこの件を積極的に報道した形跡はない。大広告主である電力業界にたいする遠慮があったと思われても仕方がなかろう。
 ところで、中電のホームページや広告を改めて調べたが、「原発はクリーン」という表現は見あたらなかった。以前はあったような気がするのだが。JAROの裁定には強制力はないが、それを受けて変更したのだろうか。代わりに多用されているのが、「原発は発電時にはCO₂を排出しません」というコピーである。これは、以前は「原発はCO₂を排出しません」だったが、事実に反すると指摘されて、こうなったのである。
 しかし厳密には「発電時にはCO₂を排出しません」も正しくない。ウランの核分裂反応からはCO₂は排出されないが、発電をする=発電所を動かすならば、CO₂はかならず排出される。事実に合致させるためには、「原発は、発電時には他のいくつかの電源に比べて相対的に少ないCO₂しか排出しません」でなければならない。
 最近は、商品の宣伝にはデメリットも表示すべきであるとされる。この公正さの観点を加えれば、これでもまだ不十分であり、「原発は、発電時には他のいくつかの電源に比べて相対的に少ないCO₂しか排出しません。その代わり、他の電源にはない放射能を大量に生み出します」とされねばならない。電力会社は「原発広報の目的は、原発についての正しい理解を広めることです」と称している。そうであるなら、事実適合性がもっとも高いこのコピーをこそ宣伝すべきではないか。
 他方で、反原発派の一部には、「原発は、事故停止が多く、負荷追従運転(電力需要の変動に合わせて発電量を調整すること)ができないので、けっきょくは火力発電に頼ることになり、CO₂排出削減にはつながらない」という主張がある。
 この主張も正しくない。事故停止が多く、負荷追従運転ができないことから導かれるのは、電力供給を原発だけに頼ることは不可能であり、したがって原発だけで電力のCO₂排出を大幅に削減することは不可能であるということである。しかし、それだけで原発はCO₂排出削減に寄与しないというのは、論理の飛躍である。低調といわれる日本の原発でも、稼働率は50%以上あり、国内総発電量の四分の一を占めているのである。
 原発は、汚い(放射能を生み出し、放出する)、危険(事故は避けられない)、きな臭い(核兵器製造につながる)の3K施設であり、社会的に受容されておらず、新規立地がままならない。原発はまた、CO₂排出削減の面で力不足であり、資源量の面で持続性がない。
 その上、原発依存のCO₂排出削減政策は、実際においては地道なCO₂排出削減努力を阻害することになる。あるいは、CO₂排出削減努力をさぼる口実にされる。中電の07年のCO₂排出量は、90年比40%増である。08年は、不況のために電力消費量が大幅に減少した結果、90年比28%増にとどまったが、それでも90年比で大幅な増加であることに変わりはない。この惨憺たる実績が、そのことを物語っている。
 このような総体的な評価ではじめて、原発はCO₂排出削減手段として失格といえるのである。この問題では一発で相手を倒す必殺技はない。簡単で分かりやすいことが喜ばれる風潮があるとはいえ、雑ぱくな主張をすることは、反原発派にたいする信頼を損うことになりかねない。
 なお、昨年発行されたドイツ環境省のパンフレットに紹介されているフライブルグエコ研究所の計算では、電源別の1KWhあたりCO₂排出量(排出原単位)は、原発31〜61?(使用するウラン鉱によって変動)、風力23?、水力39?となっている。太陽光発電については記述されていない。
 太陽光発電のCO₂排出原単位については、2001年に電力中央研究所が行った53?という計算結果がある。これですでにエコ研究所の原発の最高値(61?)よりもかない低いが、いまでは技術進歩によってそれよりも大幅に下がっているはずである。
 このように原発のCO₂排出原単位は、すでに再生可能エネルギー利用発電のそれよりも高いのであるが、将来的にはウラン鉱の品位と採掘条件が悪化するので、いっそう上昇することはまちがいない。
 CO₂排出削減のためには、節約と再生可能エネルギー利用という、原発依存よりもはるかに優れた代案があるのだから、そちらに早く乗り換えた方が、安全、安定であり、長い目では得でもある。

コメント(2)

原発のことを知れば知るほど、危険で、持続不可能で、金がかかって、非現実的で、無駄な装置である、と思わざるを得ません。

そんなものを動かし続ける。あるいはもっと作ろうとする。さらには再処理工場などという、原発を2乗したほどにも「危険で、持続不可能で、金がかかって、非現実的で、無駄な」ものを作ろうとする。それはもう何か別の下心があるに決まっています。

すなわち、「核兵器の材料のプルトニウムが欲しい。日本を核武装国家にしたい」。

原発をどうするか。

これは民主党政権の試金石になると思います。

九条を活かすか、殺すか。

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