詩集　空の高さから海の深さまでコミュの刺青鳥　　　no-entry zone

わたしはここにいる。

わたしはここでしか生きられないのではなく、

ただ怯えるわたしがここにいる。

青い鳥がいないと知った日。

もう愛の唄がわからない。

過保護に閉じこもったきり。

飛び去った幸せに

ときどき祈りを捧げるだけ。

そう、誰かとくらべたり。

そう、愛を問いただしたり。

幸せにしてなんてね。

吹雪く季節はそっと

休ませてくれるだけでいい。

追いかけない。

捜したりしない。

もうここにはいない。

あなたと出逢ったあの日。

目の前の景色が霞んだ。

震える身体を抱きしめて。

臆病だった背中に

青い羽を生やした。

そうわたしが癒すの。

そうわたしが守るの。

優しさがほしいなんてね。

月のない夜はそっと

明かりを灯してくれればいい。

この翼が誇り。

この涙が勇気。

何度でもはばたける。

わたしは風に乗る。

わたしは何処へでも飛んでいける。

自由なわたしがここにいる。

共に生きると誓った日。

遠く近く遠く。

重なり合うのが小指だけの時も。

最期まで同じ季節を進もう。

そう、瓦礫の地平線も

そう、消えない黒い虹も。

かわらない永遠なんてね。

迷いかけた時はきっと

何度でも誓い直せばいい。

共に変化しよう。

同じ明日をみよう。

赦すことの強さを知った。

わたしはこの消えそうな空を掴む。

わたしはどこへでも逃げ出せるけど、

わたしは望んでここにいる。