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Mon Petit Princeコミュの星の王子さま紀行 その28(第23章)

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 本文・・・「こんにちは」と、王子さまがいいました。「やあ、こんにちは」と、あきんどがいいました。それはのどの渇きがケロリとなおるという、すばらしい丸薬を売っているあきんどでした。一週に一粒ずつ、それを飲むと、もう、それきり何も、飲みたくなくなる、というのです。「なぜ、それ、売ってるの?」と、王子さまがいいました。「時間が、えらく倹約になるからだよ。そのみちの人が計算してみたんだがね。一週間に53分、倹約になるというんだ」と、あきんどがいいました。「で、その53分って時間、どうするの?」「したいことするのさ・・・」<ぼくがもし、53分って言う時間、好きに使えるんだったら、どこか泉のほうへ、ゆっくり歩いてゆくんだがなあ>と、王子さまは思いました。
                        第二十三章終わり

 
 時間、かけがえの無いもの。それがあるからこそ僕らはこんなにもあくせくと日々を切り盛りして生活しているのかもしれない。
 でもその時間というものの本質は一体どこにあるのだろう?
 朝満員電車に乗っているときには、やはり早く目的地に着けとどうしても願ってしまうし、人身事故や遅れでもあろうものならイライラしてしまう。僕の場合はそれは目的地に早く着けないからという理由からではなく、ああいう何の面識も無い人たちとぎゅうぎゅうにすし詰めになっている状態が耐えられないからなのだが。
 ともかくイライラしまいと言い聞かせていても決して気持ちのいいものではない。
 みんな無感情な顔をして必死に何かに耐えているように僕には見える。常磐線でも山手線でも一本ぐらい遅れたって2〜3分しかかわりゃしないのにぎりぎりで飛び込んでくる。
 何か日本人という人種はぼくには「無駄に急いでいる」という気がしてならない。
 こんでいない時間に電車に乗れるぼくは、電車の中で好きな本を読んだり、フランス語の勉強をしたりできる。それは最高の贅沢だとぼくは思う。
 ただサラリーマンの人たちがぼくのことを「君は学生だからそんな気楽なことがいえるんだよ。社会人は規則を守らないと」みたいにいうのだとしたら、確かにそれも一理あるけれど、やっぱりこんなフレックスタイムとかも導入されてきている御時世に何でみんないっせいに出勤しなくちゃならないのかを聞きたい。
 だいたいなんでみんなオフィスだのなんだのにいて仕事をしなくちゃならないんだろう?別に家でもあんなことは出来る気がしてなら無い。
 とまあ好き勝手に書いたが別にぼくはサラリーマン批判がしたいわけではあまり無い。
 ようは時間の節約って言う論点のことについていいたいのだ。
 現代科学ってやつは時間の節約ばかり、時間に限ったことじゃないけれど、節約節約ばかり言いやがるけれど、こんなに何もかも垂れ流しにしている国もまた少ないわけで、いやはや何たる自己矛盾かと思う。
 アメリカの変なきちがいじみた独裁者じゃないけれど、悪い人ほど正義を叫びたくなるように、節約だのゆとりだのいう人ほど、往々にしてそれが無い。
 ここが本質につながっている気がする。
 だって正義だの悪だのっていえるのは、悪を作り上げる必要があるからだし、もちろん裏返せば正義もそう。
 節約ってやつだって、節約しなくちゃならないってことは使っているからだし、ゆとりだってそうゆとりが無いから、ゆとりを持とうなんていう。
 だからここの文章を読んでいても本当に思う。
 時間の節約、時間を有効になんていっているとかえって、節約もできなければ、有効にも使えないって。
 もうちょっとそんな義務感にとらわれないで、自分のペースでやってみたらいいんじゃないかな。そのペースが速いペースならそれはいいと思う。
 それに何が無駄で何が有効かなんてぼくらには絶対に決められないはずだよ。
 人生は一度きり、死後どうなるかはわからないけれど、ぼくらは生きるために生きているわけじゃないと思う。みんなそれぞれ何かはわからないけれど、何かをするために生まれてきたはずだと思う。それは人それぞれ絶対に違うはずだ。それが何かわからないぼくは、それを今探している。少し見つかってきたけれど。
 丸薬なんてぼくには必要ない。ぼくは王子さまと一緒に泉のほうへゆっくりと歩いていきたいんだ。

                        つづく

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