香港映画脇役悪役列伝コミュの【女優列伝】カルメン･リー(李若彤)

1966年8月16日､香港生まれ。キャセイ航空で客室乗務員として勤務していたところをスカウトされ､広告モデルに転じる。90年､オール･ロンドンロケのアクション映画『紅い愛の伝説』(テレビ放送)にて､当時の人気女優ジョイ･ウォン(王祖賢)のルームメイト役で映画デビューを果たす。92年にはツイ･ハーク(徐克)がプロデュースした『妖獣都市香港魔界篇』にて､白のボディコンに身を包んだ準ヒロインをクールに演じた。この時彼女はまだ客室乗務員の仕事を続けており､過密なスケジュールとオーバードーズの為一時重体となり､客室乗務員の仕事を辞めて休業を余儀なくされた。
翌年回復後､ジョニー･トー(杜琪峰)監督のマネージャーと契約し､映画出演を本格化させる。94年には初主演作を撮影し､その後も話題作に続々起用され､同時にTVBでドラマへも出演。返還を間近に控えた香港の映画界で人気女優へと躍り出た。海外移住の増加で芸能界も手薄になるなか､返還前後の香港映画を支え続けた。98年にはツイ･ハーク監督によるハリウッド作品『ノック･オフ』で香港側のヒロインに抜擢され､ジャン･クロード･ヴァン･ダムと共演。
ミレニアム頃から中国大陸での活動が増え､現地でのテレビドラマやCM出演がメインとなったが､2008年から2010年にかけては､10年来のボーイフレンドとの別離や父親と死別したことが重なって心身に不調をきたし､一時芸能活動を離れた。
2013年､エリック･ツァン(曾志偉)の招きに応え､彼がプロデュースした｢女人俱樂部/Never Dance Alone｣にて､久々に戻った香港TVBのドラマで主演し完全復帰を果たす。韓国映画『サニー永遠の仲間たち』(2011年)をモチーフとし､80～90年代の香港映画界で活躍した女優陣が再結集したこのドラマは大きな話題を呼び､2014年TVBアワードにて､複数部門にノミネートされた。同年､サンドラ･ン(吳君如)主演のコメディー映画にゲスト出演。かつて､ドラマで名コンビと謳われたルイス･クー(古天樂)と共演した。
その後は中国大陸での活動を中心にトップ女優の一角として順調な活躍を続けている。

＜主な出演作品＞
紅い愛の伝説(90)、妖獣都市香港魔界篇(92)、レジェンド･オブ･フォース激闘飛龍、ファイナル･オプション(94)、少林キッズ(95)、００８皇帝ミッション、ロンリーウルフ、野獣の瞳(96)、Ｇ４特工、パラダイス!、ファイヤーライン、ドラゴン危機一発'97(97)、ノックオフ(98)